2017年07月14日 (金)防災 これを!⑮「冠水時のアンダーパスで命を落とさない」【石垣真帆】


ラジオ第1『夕刊ゴジらじ』で毎月1回お届けしている

「防災士 石垣真帆の 防災 これを!」

私が防災士として学んだ中から「これは覚えておきたい!」と特に感じたことを、

番組リスナーのあなたにお伝えしていくコーナー、

6月放送のテーマは

 

「冠水時のアンダーパスで命を落とさない」

 

▽大雨で冠水したアンダーパスがいかに危険か

▽命を落とさないために覚えておきたいこと

をお伝えしました。

 

アンダーパスとは、

道路が鉄道の線路などと交差してその下をくぐるようになっている部分で、

大雨の時には冠水の可能性がある危険な場所です。

愛知岐阜三重には400ヶ所以上ありますが、

これ、なんと全国の1割以上の数なのです!(全国ではおよそ3500ヶ所)

 

実際、冠水したアンダーパスに車が入って死亡事故も起きていますし、

死亡事故に至らなくても、

車を動かせなくなりJAFなどに救援依頼をするケースが後を絶ちません。

 

実際に、冠水したアンダーパスに入ってしまうと、どうなっていくのか・・・

番組では、

日本自動車連盟・JAFの実験例を参考にしながら想定した1つの事例を紹介しました。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・・・強い雨が降り続く中運転していると、

前方にアンダーパスが・・・

昼間だが、雨のしぶきで前がよく見えず、
またアンダーパスの中が暗く、
様子がわからないまま入ってしまったら・・・

≪バシャーーーーッ≫

溜まっていた水に突っ込んでしまった・・・!!!
その瞬間、「ドン」という衝撃

身体が前のめりになるような感覚

どうやら水に入った時の衝撃でバンパーが外れたらしい・・・

 

フロント部分が水に潜り、後輪は浮いて、車体が前に傾いてきた

タイヤが浮いているので車がフラーっと漂うように動く

 

そして、エンジンが停まった・・・

キーを回して何度かけようとしても、かからない・・・!!

 

ドアの隙間などから、水が入り始めた

シートベルトを外そうとするが、焦ってうまく外れない

そうこうするうちに、車内の水はもう膝の辺りまで上がっている

 

なんとかシートベルトを外すことができた

逃げなくては!とドアを開けようとしたら・・・

外からの水圧でドアが開かない!!

 

なんとか開けようと力を込めて押し続けるが、ビクともしない

車内の水は腰の高さを越えた

 

外の水かさも増して、ついに
車全体が水没し始める・・・・・

 

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冠水時のアンダーパスではこんなに恐ろしいことが予想されるのに、

どうして入ってしまう車が後を絶たないのか。

 

そこにあるのは、「大丈夫だろう」「行けるだろう」という気持ちです。

JAF愛知支部に救助要請をした人が言っていた理由には

こんなものがありました。

「車だから行けると思った」

「こんなに深いと思わなかった」

「前の車が行っているから、行けると思った」

「結果がこうなるということを想像できなかった」

「冠水がわかっていても、子どもが熱を出してしまって、

 どうしても病院に行かなくてはならず、通行してしまった」

「渋滞ではまっている内に急に水かさが増してきて、どうすることもできなかった」 

 

こんな「楽観視したい」という気持ちの他にも、要因があります。

・道路のカーブ、大雨で視界不良、⇒水が溜まっているのが、入るまで見えない

・後続の車があると、なかなか停まりにくい・・・

 

では、どうすればいいのか。

まずは、日ごろから次のような意識を持つことが大事です。

「強い雨が降り続いたら、アンダーパスには水が溜まっている」ことを前提にする。

知らない道を運転していてアンダーパスに差し掛かってしまったら、停まる。

 後続車があって急に停まれないなら、できるだけ減速して停まろうとする。 

 

それでも、水の中に入ってしまった場合には、どうすればいいのか。

まずは、すぐに逃げること。

エンジンに水が入って止まってしまったら、

もう、いくら頑張っても、かかることはありません。

だから、すぐに諦めて、逃げること。

 

なぜ、「すぐに」が大切なのか。

水深が深くなるにつれ、ドアはどんどん開けにくくなるから。

 セダンタイプでは、水深60センチでドアを開けようとすると

 通常の5倍ぐらいの力が必要になるという実験結果があります。

 このぐらいの深さを超えると、成人男性でも困難になってくる、とされています。

(ちなみにこれは、これは、スライドドアも同じです!!!
 スライドする前に一回外に押し出す必要があるので、
 押し開けるドアと同じぐらい力が必要なのです。)

もし近くに川があって氾濫したら4,5分で60センチ水かさが増すことがあるので、

 入ってしまった時に水深が浅かったとしても、とにかくすぐに逃げましょう。

  (2010年の岐阜県可児市の死亡事故では、
  最初は20センチ程の冠水だったのに、
  エンジンが止まって立ち往生しているうちに氾濫した水が流れ込んできて
  犠牲者が出ました)

 

して、そのドアがもう開かない状況になっていたら、どうすればいいのか。

ドアが無理なら、窓を開ける。
(エンジンが止まってもパワーウィンドウが作動することもあるので試してみる)

もし開かなかったら、

 緊急脱出用のハンマー(専用のもの)で、サイドの窓ガラスを割る。

 フロントガラスは割れないようにできているので、サイドを! 

 四隅を何回か叩く内に割れます。 

 

「車のキーや、ヘッドレストの金属の部分では窓は割れない」という

JAFの実験結果も出ています。

カーショップ等に売っている緊急脱出専用のハンマーを用意しましょう。

シートベルトを切るカッターがついているものもあります。

そして、それを車内で保管しておく場所も大事。

センターコンソールなど、

運転席から手の届くところ、かつ、車を動かしていても転がらない所に置いて

いざという時に確実に使えるようにしておきましょう。


☆こちらもぜひ☆ ↓↓↓
===防災士・石垣真帆の 「防災 これを!」シリーズ===  

 ⑭ 車中泊、ホントにできる?
 ⑬ 揺れたらすぐに「頭を守るポーズ」を!
 ⑫   危険な時は、避難”場”所に逃げる!
 ⑪ 住宅用火災警報器の点検を!
 ⑩ 雪の事故にあわない! 
 ⑨ 年末年始、家族で自宅の「備蓄品」の確認を!
 ⑧ 大掃除のついでに「非常持ち出し品」を見直そ
 ⑦ 直下型地震 続く揺れに備える
 ⑥ ぎんさんの娘さんたちから学ぶ 防災の知恵
 ⑤ 大雨!水の被害から命を守るには
 ④ 雷川柳で身を守ろう
 ③ 土砂災害 危険なポイントの見分け方
 ② 目からウロコの家具の固定(時間稼ぎのアイディア)
 ① 身を守るとっさの行動

投稿者:石垣 真帆 | 投稿時間:18:00


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