被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

長崎原爆ノート64「放射線影響研究所」放影研=放射線影響研究所は、被爆者の追跡調査などを通じて、放射線の人体への影響を研究している日米合同の研究機関で、昭和50年に発足しました。長崎市と広島市にある研究所には日本やアメリカなどの研究者と職員あわせて200人以上が所属し、被爆者の血液検査や健康調査などをもとにした研究を行っています。前身は、昭和22年にアメリカが設置したABCC=原爆傷害調査委員会で、原爆を投下したアメリカが被爆者を調べることに被爆地では当初、批判や反発がありました。放影研では、被爆者など12万人を60年以上に渡って追跡調査し、放射線を浴びた量ごとにどのような影響が出るか明らかにしてきました。調査から1000ミリシーベルトの放射線を浴びると、将来、がんで死亡するリスクが50%高まり、100ミリシーベルトでは5%高まるとする研究結果が出され、放射線の影響を判断する指標となっています。一方、100ミリシーベルトまでの場合、人体に影響があるかどうかは確認されていません。平成12年からは、被爆者を親に持つ被爆2世に対する健康への影響も調べていて、これまでに遺伝的な影響は確認されていませんが、今後、さらに詳しく調べるとしています。また、今年度からは、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、直後に作業にあたったおよそ2万人を対象に、被ばくの影響を調べる健康調査も進めています。
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