被爆から70年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

長崎原爆ノート35「被爆体験者」国は、長崎市の爆心地を中心に南北およそ12キロ、東西およそ7キロの地域を被爆地域と定め、原爆が投下されたときに地域の中にいた人などに被爆者健康手帳を交付し、医療費を無料にしているほか、原爆の放射線の影響で病気になった人に対する健康管理手当などを支給しています。一方で、被爆地域の外で原爆にあった人は「被爆体験者」とされ、うつや不眠症など、原爆の体験によるとみられる精神的な症状や、それに伴う合併症を発症した場合に平成14年以降、医療費が支給されています。県と長崎市によりますと、「被爆体験者」は、ことし3月末の時点で県内におよそ8350人います。しかし、「被爆体験者」は「原爆の放射線による直接的な身体への影響は認められない」として、がんなどの病気になっても医療費や手当などが支給されないため、平成19年から国などを相手取って被爆者と認定するよう求める集団訴訟を起こしています。平成24年に出された1審の判決では訴えは退けられ、被爆者とは認められず、現在、福岡高等裁判所と長崎地方裁判所であわせて550人の裁判が続いています。一方、長崎市では、被爆体験者の要望を受けて、おととしから専門家による研究会を開き、科学的な知見を元に被爆地域の拡大を目指そうとしています。
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