被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

原爆ノート108「パンプキン爆弾」パンプキン爆弾は、アメリカ軍が長崎に原爆を投下する前、投下訓練や投下時の弾道の確認などの調査・実験を目的に作った原爆の模擬爆弾です。長崎の原爆・「ファットマン」とほぼ同じ形をしており、直径1.5メートル、長さ3.3メートル、重さは4.5トンほどで、内部には通常の火薬が詰められていました。「パンプキン」の呼び名は、色や形がかぼちゃに似ていたことに由来します。アメリカ軍は、太平洋戦争末期、国内各地に49発の「パンプキン」を投下し、400人あまりが犠牲になったとされますが、通常の空襲に紛れていたため、原爆の模擬爆弾だと明らかになったのは、終戦から半世紀近くがたってからでした。山口県に住む元高等専門学校教授の工藤洋三さんは、平成25年、アメリカ軍の資料などをもとに「原爆投下部隊第509混成群団と原爆・パンプキン」という資料集を出版し、
アメリカ軍が原爆の投下に先立って綿密な準備を行ったことを明らかにしています。また、平成27年7月には、パンプキン爆弾が投下された各地の関係者が大阪に集まって情報を交換する集会が初めて開かれるなど、被害を語り継ぐ動きも始まっています。
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