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長崎県長与町 学生服リサイクル 地域のかけ橋に

  • 2024年04月05日

長崎県の長与町に学生服のリサイクルを行っているクリーニング店があります。制服を通じて、地域に貢献する取り組みを取材しました。

NHK長崎放送局 柿本遥

広がる学生服リサイクル

この日、クリーニング店を訪れたのは息子がこの春、高校に進学する女性です。入学する学校の制服を受け取りました。と言っても、こちらはクリーニングに出したものではありません。学生服リサイクルで譲り受けた制服です。

こちらの店では、不要になった制服を引き取り、それをクリーニングして保管しています。店では在庫をリスト化してホームページで公開。制服が欲しい家庭はリストにあうものがあれば、店に連絡し、無償で譲り受けます。使われなくなった制服を再び活用できるうえ、お財布にも優しい取り組みです。

学生服リサイクルの仕組み
学生服リサイクルの仕組み

クリーニング店がボランティアで行っている学生服リサイクルの取り組みですが、年々利用者が増えています。

利用者
「助かるという思いでいっぱいです。子どもが3人いて、すごくお金がかかる時期なので経済的に助かります」

クリーニング店店主の舩橋英雄さんと妻の宏栄さんです。

舩橋英雄さん
舩橋宏栄さん

不要になった制服ですが、多くはクリーニングで新品同様によみがえります。

舩橋英雄さん
「学生服は丈夫に作られている物が多いので、3年間着ても傷んだりとかなく、洗ってきれいにすれば次も着られます」

舩橋さん夫妻が学生服リサイクルを始めたのは14年前。常連客との会話がきっかけでした。

舩橋宏栄さん
「幼稚園の制服をクリーニングに持ってこられたお客さんが、『これ使わないんだけれど、クリーニングしてしまっておこうか、どうしようかな』と悩んでいました。(他のお客さんのお子さんが)たまたま、この幼稚園に行くことを聞いたので『ここの幼稚園だったら』と思って声をかけました」

その後、この「橋渡し」が評判になり、店には次々と制服が持ち込まれるようになりました。

舩橋宏栄さん
「いらない制服なのにあげることに躊躇したり、欲しいのに下さいって言えなかったり、実際あるんだと思いますね」

つながる制服のバトン

学生服リサイクル第1号である幼稚園の制服を、14年前に譲り受けた女性です。

クリーニング店の常連だった母が譲り受けました。

制服を譲り受けた女性
「当時は何も考えずに着ていたから知らなくて、びっくりした」

あれから14年。女性はこの春、高校を卒業しました。思い出のつまった高校の制服を、今度は誰かのためにと学生服リサイクルに出すことを決めました。吹奏楽部の演奏会のときに着ていた制服にはひときわ思い入れがありました。

制服を譲り受けた女性
「部活の定期演奏会で制服を着ていたので、それが一番印象に残っています。きれいなものもあって、このままじゃもったいないと思って。使ってくれる人に着て欲しいです」

舩橋さんのクリーニング店を訪れた女性は自分が着ていた制服のリサイクルをお願いしました。再び、地域の誰かのために制服のバトンが渡されました。

制服を譲り受けた女性
「自分が着ていた物が次の世代につながるから、すごくうれしいです。制服でいろんな高校生活の思い出を作ってもらえたらいいなと思います」

地域をつなぐかけ橋

偶然の橋渡しから始まった学生服リサイクル。いまでは地域をつなぐかけ橋になっています。

この取り組みは、制服のクリーニングも保管も店側のボランティアによって行われています。そこで、店では募金の呼びかけを行っています。学生服を受け取るのは無償ですが、クリーニング代程度の募金への協力を任意でお願いしています。これまで、東日本大震災の被災地、ユネスコ、能登半島地震の被災地に届けられたということです。

  • 柿本 遥

    NHK長崎

    柿本 遥

    「ぎゅっと!長崎」リポーター
    熊本県天草市出身
    児童養護施設で勤務経験

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