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「長崎に育てられた」芸人ザ・マミィ林田洋平さんの原点

NHK長崎 新春ちゃんぽんインタビュー
  • 2023年01月26日

長崎市出身でお笑い芸人「ザ・マミィ」の林田洋平さんです。おととしの「キングオブコント」では準優勝を果たすなど人気上昇中の林田さんに、ふるさと長崎で過ごした青春時代の思い出や芸人を目指した原点を教えてもらいました。

50人のうち、〇人には…

あけましておめでとうございます。ザ・マミィの林田洋平でございます。去年は少しずつテレビなどにも出させて頂くようになりまして、長崎にもロケで帰らせていただく機会もありました。その節はみなさんお世話になりました。
ただですね、その時点では町を歩くと50人に1人ぐらいに声をかけられるかどうかぐらいの体感だったんです。ことしの目標はもっと頑張って50人のうち3人ぐらいには声を掛けられるようなスターになりたいなと思って(笑)、日々頑張りたいと思います。長崎の魅力を伝えたりしたいですし、もっと長崎で皆さんに見てもらえるようにも頑張りますので、よろしくお願いいたします。

上京して気づいた長崎の魅力

僕は長崎西高校だったんですけど、帰りは絶対(長崎市にある複合商業施設の)ココウォークに行って、フードコートで肉うどんを食べるっていう毎日を過ごしていて。(長崎市の多目的イベントホール)ブリックホールとかも、当時小学校の音楽でみんなで演奏させてもらって。そこに先日、お笑いライブで行かせて頂いたり、本当に茂里町辺りでキュッとしています(笑)。そういう環境ですくすくと育てていただいたので。思い出深いです、本当に。

長崎は東京に出てみて改めて思いますけど、人が優しくて、あんまり気張りすぎていないイメージというか。そういう空気がすごい居心地がいいですよね。路面電車とかも東京に出て帰ってくると、あの景色が当たり前なことが幸せだなと思います。夕日が見えたりとか、そういう幸せを長崎の人はもう一度自覚して欲しいというか。

原点は「ボケとツッコミ」係

長崎出身の芸人さんってほとんど会ったことがないので…。こう言ったら怒られるのかもしれないですけど、長崎の人はつまらないのかもしれないですね(笑)。僕も「本当に芸人?」、「真面目だね」みたいに言われるので、なんでなんですかね?おもしろい長崎の人っていったら、芸人とか飛び越えて、さだまさしさんとか、ちょっと別ジャンルの人が急に飛び出てきちゃうので、ちょっと何とか芸人界、長崎の人を増やしたいなと思っています。

小江原小学校っていう山の上の学校に通っていたんですけど、昔って図書係とか係みたいなのがあったじゃないですか。いま思えばですけど小学3・4年生ぐらいに「ボケとツッコミ係」というのがあって、お笑いに詳しい友達がやっていて。僕がやったと思いそうですけど、その時はまだボケとツッコミが何か知らなかった。だから、彼らが教えてくれたっていうのがあります。「ボケとツッコミ係」は給食の時間とかに出し物をしたりして、それを斜に構えて見ていた僕が、結局芸人をやっている(笑)。クラスメイトにある意味お笑いの英才教育をされて、自分からラジオ聞いたり、東京のお笑い番組見てみたり、結構あこがれが強かったですね。

お医者さんの子どもで「将来お医者さんになるんでしょ」とか、「真面目で優等生ね」みたいな風に当時言われてきたのを、跳ね返したいという意欲で毎日過ごしていたんですよ。だからちょっとふざけてみたりとか、変なこと言ってみたりとか、本当に長崎の環境に育てられた感じがありますね。

長崎県民 じつはコント向き!?

(ネタ作りは)気味悪がられるかもしれないですけど、喫茶店に行って隣の人の話にずっと聞き耳立てたりとか。おじさんとおばさんが痴話げんかしてたのを全部メモして、ほぼそのまま(ライブで)やったことがあります(笑)。本当おもしろい人が多いんですよ。相方の酒井はキャラクターが結構強いので、わりとそこありきでなんとなく考えることが多いんです。状況がふざけてるだけで、意外と内容は言いそうなこと言ってるだけぐらいのバランスが僕は結構好きですね。みんなの日常と違うかもしれないですけど、“あの人の日常”という、あまり飛び過ぎないようには何となくしています。
同じ意味合いの台詞でも言い回しとか、言葉の順番を変えるだけでなんかウケは変わったりするので、そういうのはすごいおもしろいです。コントは何か役でいればいいので、長崎の人はコントが向いてる気がしますやっぱり、照れ屋な人が多いイメージがあるので、何かになったほうが自分を表現しやすい

長崎で単独ライブやりたい

僕の2023年の目標は、「長崎で単独ライブをやりたい」。単独ライブをするには、そういう状況になれるように今年一年より頑張らなきゃいけない。やっぱり会社の「GO」が必要ですし、会場の「GO」も必要ですし(笑)。採算が取れると言われなければできませんので、そのためにはテレビにも出て、アピールしなきゃいけないですし。

(NHK長崎には)ザ・マミィをすごく使う放送局になって欲しいですけどね。「僕らはもっと頑張りますよ」という意味も込めて、やっぱりNHK長崎に地元の人間がいっぱい出てるのがいいかなと思うので。長崎を出た人が帰ってくる場所でもあってほしいですし、長崎の魅力を外に出す場でもあってほしいので、僕らみたいな東京にいる長崎にゆかりがある人間をどんどん巻き込んで欲しいなあという。そのためにもっと僕らも頑張りますという気持ちです。

取材後記
地元ゆかりのお笑い芸人が少ない長崎県。その理由を、林田さんは「長崎の人はつまんないのかもしれない」と笑い飛ばした。そんなことばから、以前、取材先で聞いた長崎県人の内弁慶気質の話が思い浮かんだ。「内輪ではじょう舌なのに、外に向かっての情報発信が不得意」。意外と照れ屋なのかもしれない。とはいえ、450年も前から外国と交流し、社交的なイメージがある長崎。そんな町から、もっと人を笑わせる芸人がたくさん誕生して欲しい。くったくない笑顔を見せる林田さんへのインタビューをしながら、ふと、そんなことを感じた。

  • 郡義之

    長崎局記者

    郡義之

    地方紙記者を経て、平成22年入局。前橋局、釧路局、ネットワーク報道部を経て現職。落語やお笑いが大好き。「時間があれば、寄席やライブにも通ってます!」

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