長崎の海・漁業・高齢化・後継者不足を改善!?橘湾のウニ蓄養
- 2023年01月19日
橘湾 漁師たちの悩み
じげもん(地元の人)のお困りごとに向き合うコーナー「じげ×サポ」。初回は、すしネタとしても人気の ウニ についてです。
発端はNHK長崎に寄せられたこんな声から。
じげ×サポは地域の課題をスタッフが取材し、解決策を専門家などと考えるコーナーです(あなたのお悩みも募集中)。
早速、取材班が雲仙市にある京泊漁港に向かいました。
困っているじげもんはこの方。橘湾東部漁業協同組合の井上幸宣組合長です。これまで、漁師の高齢化や後継者不足に加え、 磯焼け に悩まされてきたといいます。
磯焼けは、水温上昇やウニ・魚の食害などで海藻がなくなってしまうこと。海の生き物を育む海藻が無くなると、漁業に大きな影響を与えます。
これまで、磯焼けの原因のひとつであるウニをとって駆除していましたが、井上組合長は「もったいない」とウニの蓄養に乗り出しました。
磯焼けでウニもやせてるけど、蓄養して身がつけばビジネスになって高齢者や若者も働く場ができる。
なんと磯焼け対策と新産業の創出、さらに漁業者の高齢化や後継者問題を解消する「一石四鳥」を狙っているのです。
蓄養ウニが次々に死滅
しかし、新しい取り組みは失敗の連続でした。
去年8月、漁港ちかくの「養殖場」で1万2000個のウニを育て始めましたが…翌月に台風が直撃。4割ちかくが死んでしまいました。
そこで屋内にある「水槽」にウニを移しましたが、翌日には次々と死んでいったといいます。
ウニがかわいそうなぐらいしおれて、ボロボロ死んでいった。水とか酸素の問題だと思う。
3度目の正直で、残ったウニを港内にある浮き桟橋に避難させました。
ここなら強い風や波の影響を受けず、水槽より自然にちかい環境だと考えたのです。しかし…
このカゴのウニは、約2000個のうち半分が死んで殻だけに。水槽から移したり、陸上で選別に時間がかかったりしたのが原因だと組合長は考えています。
“ウニ蓄養に助言がほしい”
一方、選別に時間をかけず海中に戻したウニは生き残っていました。
ここで蓄養しているムラサキウニは雑食のため、レタスや白菜といった野菜を試しながら育てています。
長崎でムラサキウニが旬を迎える5~6月まで、順調に育つか…組合長は蓄養に詳しい人がいれば、アドバイスをもらいたいといいます。
冬場になってエサの食いがどうなるか。水温が変われば、いろいろ問題が出てくると思う。
そこで、じげ×サポのスタッフは 全国の先進例 を調べ、助言をしてくれる ウニの専門家 を探すことにしました。
続きは、雲仙市 漁師の悩み編【その2】へ