NHK長崎 舞いあがれ!の故郷 五島のからすみ作り
- 2022年12月02日
長崎産からすみ 将軍家に献上された三大珍味
長崎産「からすみ」は、江戸時代、越前の「うに」、三河の「このわた」とともに将軍家に献上され、”三大珍味”に数えられます。五島伝統のからすみ作りに密着しました。
ボラ漁 今シーズン初めての水揚げ
10月21日、長崎県五島市富江町では2隻の漁船が漁から港に戻ってくるとさっそく網に絡まったボラを取り外しました。ボラは産卵のため島伝いに回遊していて、2隻の漁船で囲い込む「囲い刺し網」で捕まえます。
卵巣を丁寧に取り出す 塩漬けに
網から取り外したボラはすぐに加工場に運びボラからきれいなオレンジ色の卵巣を丁寧に取り出し、ひとつひとつ手作業で、塩漬けにしていきました。
ボラ漁歴50年以上 馬場哲也さん
「ここ数年、不漁が続いていましたが、きょうは大きくてきれいな卵巣がとれました」
水洗いして天日干しに
水揚げから約1か月後。塩漬けにされた卵巣は水洗いをしたあと、天日にさらして形を整えます。
表面の油の拭き取り
馬場さんの作業場には、塩漬けされた卵巣が並べられ、まんべんなく乾くようひっくり返したり、表面の油を拭き取ったりしていました。
徐々に独特の琥珀色に変化
からすみは干してから徐々に独特の琥珀色に変わっていきます。お歳暮や正月用として根強い人気があり、常連客をはじめ土産品店などに販売されます。
からすみ=唐墨?
ところで、なぜ、からすみはからすみと呼ばれるのでしょうか。一説には中国(唐)から伝わった墨のような形をしているところからその名が付いたそうです。
からすみ作りが終わるころ、五島列島は、あわただしい年の瀬を迎えます。
長崎産のからすみは、お歳暮や正月用として根強い人気があり、常連客をはじめ土産品店などに販売されます。