NHK長崎 なぜ女神大橋のふもとにモアイ像?
- 2022年10月17日
なぜ女神大橋のふもとにモアイ像?
NHK長崎放送局に以下のギモンが寄せられました。依頼主は長崎市のタカヒラさんです。
タカヒラさん
「女神大橋のたもとにモアイ像が設置されているのですが、誰がどんな目的で設置したのでしょうか?」
タカヒラさんによると、この場所は以前は空き地だったそうです。そして、突然モアイ像が建てられましたが、その場所はいつも門が閉まっていて、一般の人は入れないそうです。
このモアイ像のギモン。実は、ネット上にも疑問の声がたくさんあがっていました。
え、女神大橋の下にモアイ像??
長崎にモアイ!?
なんで長崎にモアイ像があるの?
周辺の商業施設で聞き込みをしていたところ、ヒントになる情報が得られました。
「聞いた話によると、個人の人がなんか観光の人のために建てたみたいな感じで聞きましたけど」。
ヒントを得て、現場に接近しました。入り口の看板には、石材店の名前が書かれていました。看板の情報をもとに諌早市にある創業100年の石材店を訪ねました。
女神大橋の下のモアイ像を作られた方ですか?
はい、私が石の福隆・川原ともうします
そもそもどうしてあそこにモアイ像を作ることになったんですか?
ある知り合いを通じて、私に要請が来たんですけど、長崎の基幹産業である造船は、衰退の一途をたどっているような状況です。これをなんとか観光方面でカバーしたいということだそうです
どなたから頼まれたんですか?
銅座商事の山口隆社長ですね。ご縁がありまして。こういう大物をつくるというのが石屋さんいろいろあたってみるけど、なかなか応じられないと。それで、私のところに依頼がきたということです。私は一発でOKしました
というわけで、タカヒラさんのギモンの答えは以下の通りでした。
モアイ像の制作を快諾した川原さんですが、像の制作は苦労の連続だったそうです。
国内でモアイ像ほどの大きな石像を作るのは難しいことが分かり、このため川原さんは、中国・福建省の工場に制作を依頼しました。モアイ像は福建省でおよそ半年かけて制作された後、アモイから船で博多に運ばれ、博多からは陸路、トラックで長崎まで運ばれ、去年11月に設置されました。
川原さんにお願いして、普段は立ち入り禁止の敷地内を特別に案内してもらいました。テレビカメラが入るのは初めてだそうです。
モアイ像の石碑には「平和と友好の長崎モアイ像」と書いてありますが、そういう願いが込められたモアイ像なんですか?
まさしく平和と友好を第一番に願って念じて建てられたものです。いまの時代に時期に適した思い。山口社長の命名です
でもなぜ、観光の売り物がモアイ像だったのでしょうか?
山口社長が、とにかく長崎に非常に注目を浴びる像を建てたいということで。お若い頃に夫婦でイースター島まで行っておられて、どうしてもチャンスがあれば像をたてて、観光の目玉にしたいという願望が常にあったらしくてですね
モアイ像はなぜ海の方を向いているのでしょうか?
海の安全、船舶の安全を願ってということです。長崎は、長崎港そのもので長い歴史が支えられてきています。長崎港を基軸にした経済発展を期していくということです
モアイ像は、いつ一般公開されるのでしょうか?
川原さんによると、モアイ像の周辺を整備する必要があるため、あと3年くらいかかるそうです。
取材後記
すべてが楽しい取材でした!しかも、川原さんとモアイ像は今回初めて取材に応じてくれたということで、思いもよらぬスクープをつかむことができ、記者としてとってもうれしかったです。また、他店が断ったモアイ像制作を一発OKしたという川原さんは、「やったことがないこと、どんなに難しそうなことも、できると思ってやるんだよ」と熱く語りかけてくれて、私も力をもらいました!ありがとうございました!NHK長崎放送局では、みなさんの日常のギモンを受け付けています。