ヤングケアラー相談窓口 福光 瞳
2021年12月10日
皆さんこんにちは♪
あっという間にことしも師走。本当に早いですね。
今回のリレー日記でも、先日「イブニング長崎」で放送した企画をお伝えします。
ヤングケアラーとは?
皆さんは、「ヤングケアラー」という言葉を耳にしたことはありますか?
最近ニュースなどで少しずつ聞くようになった言葉です。
まだ法令上の定義はありませんが、厚生労働省によると、「ヤングケアラー」とは本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話、介護などを日常的に行っている18歳未満の子どものことです。
国の実態調査によると、現在日本では中学生のうち約17人に1人が「ヤングケアラー」にあたるとされ喫緊の課題となっています。
長崎県内初!相談窓口開設
そうした中、先月、長崎県内で初めてとなるヤングケアラー専門の相談窓口が開設されました。
開設したのは、一般社団法人「ひとり親家庭福祉会ながさき」代表の山本倫子さんです。
窓口開設のきっかけは、山本さん自身も学生時代、「ヤングケアラー」だったこと。
障害のある母親に代わり、食事の準備やきょうだいの世話をしていました。クラブ活動ができなかったことや、スーパーのレジ袋を持って歩く姿をからかわれたことがとても辛かったそうです。
当時、山本さんの心のよりどころは近くに住む伯母。
山本さんの話を聞いて「えらいね」「よく頑張ってるね」と声を掛けてくれた伯母が、何よりの支えとなりました。こうした経験をもとに子どもたちに寄り添いたいと、窓口を開設したそうです。
ヤングケアラーの課題
ただ、家事や家族の世話をすること自体は決して悪いことではありません。
大人のお手伝いができるのはうれしいことですし、「ありがとう」と言われるともっと頑張りたくなりますよね。私も家族が喜んでくれるからと食事の準備をよく手伝っていました。
では、ヤングケアラーの課題は何か?それは、子どもたちの生活に支障が出てしまうことです。
こうして、子どものころに「ヤングケアラー」として自分一人で家事や家族の世話を担う生活を送ると、その後の人格形成にも影響が出るそうです。「自己責任」の意識が強くなって、悩みを話せずに自分の中で抱え込んだり、人に頼ることが苦手なったりするということです。
子どもたちを必要な支援につなぐ
窓口では、子どもたちの話を聞くだけでなく、必要に応じて様々な支援を行っています。
▼無料の学習支援はオンライン授業もあり、教室に通えなくても授業を受けることができます。
▼無料の食料支援は食材やお弁当などを配布してもらえます。
▼メンタルサポートはさまざまな専門家が悩みの相談に応じてくれます。
▼行政サービスの紹介では必要な支援を紹介してくれます。子どもにとって難しい言葉で書かれていることが多いですが一緒に探してくれます。
1人で悩まないで話してね
子どもたち本人はもちろんのこと、子どもの近くにいる大人にも窓口を広く知って活用してもらいたいと山本さんは願っています。
名前を言わなくても相談できますし、相談内容の秘密は絶対に守られます。
話すだけでも、楽になることがあるかもしれません。
「こんなこと相談していいのかな?」と思うような小さな悩みでも、安心してご相談ください。
電話は勇気が出ない!という方も、LINEやメールで気軽に相談してみてくださいね。
この窓口が1人でも多くの子どもたちに寄り添う場所となるよう願っています。
投稿者名:福光 瞳投稿時間:10:00