長崎大水害40年 187mmの衝撃 木花 牧雄
2022年9月5日
先月、長崎大水害から40年を迎えました。
この災害は、今も記録に残る雨量をもたらし、記録的短時間大雨情報が出されるきっかけともなった災害です。1982年(昭和57年)7月23日、長崎市の長浦岳で1時間雨量153mmという気象庁の観測史上1位の雨量を記録。そして、長崎市に隣接する長与町では1時間雨量187mmという国内観測史上1位の記録も残しました。40年たった今も、1位の記録として残り続けています。
187mmの雨量を記録した原本が、今も長与町役場に残されています。
雨量計に雨がたまるごとに針が記録簿を上昇していきます。一番上までいくと下まで戻り、そこからまた上昇していきます。
1982年の7月23日。午後7時頃から急激に上昇。そこから何往復もしています。午後8時までの1時間に187mmは観測されました。
187mmという数字が記録された原本を見ると、実際にこれだけの雨が降ったんだなという怖さを感じます。
この雨量を実際に体験しようと宮崎県にある施設を訪れました。ここにある降雨体験機を使用して1時間雨量187mmを体験しました。
体験してみると、視界は白くかすんできます。雨が打ち付ける音以外は聞こえにくくなります。自分で話す声も大きな声を出さないと聞こえにくい状況です。周囲の情報が手に入りにくくなります。
私は30秒ほどの体験でしたが、何よりも怖いと感じたのはこの勢いの雨が1時間降り続けて、ようやく187mmに達するということです。降雨の継続時間もまた想像を絶しています。
実際は自然現象なので、一時的にもっと強まったりすることがあったかもしれません。これほどまでに雨が降ることがあるのだと実感しました。
40年の間、国内の観測史上1位の記録として残り続けている長崎大水害の雨量。これから先も1位であり続けるとは限りません。もうこんなことはないだろうと考えることなく、次の観測史上最大の雨に備えた心構えをしておく必要性を改めて感じました。
NHK長崎では長崎大水害について深く知ることができる特設サイトを作りました。
https://www.nhk.or.jp/nagasaki/nagasakibousai/
投稿者名:木花 牧雄投稿時間:12:35