坂道をゆく⑬ 池田 耕一郎
2022年6月17日
第13回 「大中尾棚田の坂」
こんにちは。リレー日記「坂道をゆく」の第13回です。
この連載は長崎県内の坂道を全身で体感して、長崎の歴史や文化、自然の魅力を探る、まったく個人的な趣味の企画です。どうぞお付き合いください。さて、長崎の坂を求めて走る日々を送っていますが、今回は自転車の旅です。
長崎市街地から西海岸の三重に出て、国道202号線、通称「ながさきサンセットロード」を北上していきます。このあたりは外海地区と呼ばれています。外海と書いて「そとめ」と読みます。この国道202号線は標高100mほどの岬を越えていく、なかなかのコースです。そして、この時期、沿道にはたくさんのあじさいが咲いていました。
こちらは、さいかい交通さんのバス停にて。長崎の坂道をめぐりながら、よく出会うのがバス亭。おかげで最近はバス停好きにもなりました。こちらのバス停も味わい深かったです。
近所の方が植えたのでしょうか?バス停のそばには小さなあじさい園がありました。
せっかく外海に来たので出津教会に寄り道しました。出津とかいて「しつ」と呼びます。教会の周りではツバメが飛んでいて、巣作りに励んでいました。
出津教会のそばにあった、あじさいも素敵でした。綺麗に剪定されていて、そこに暮らす生活者の営みを感じます。
そして、国道202号線沿いにあった巨大あじさい。もう立派すぎて、立派すぎて。息を呑みました。あじさいの株って、これほどまで大きくなるのですね。幸せでいっぱいの気分になりました。
さて、神浦港までやってきました。神浦と書いて「こうのうら」と読みます。興味深い地名が多いですね。
赤い橋の手前に、大中尾棚田への案内を表示する看板を発見。国道202号線を右折して山へ向かいます。
ゆるやかな勾配を上がっていきます。途中の木には風鈴がぶら下げられていました。「もうチョットばい」と応援してくれます。
そして到着した大中尾棚田。日本棚田百選に選ばれています。
下から見上げるとこんな感じです。立派な石積みが遺跡のようです。
そして、一面に水が張られた田んぼ。水面に青空が写っています。今年は6月10日(金)にお田植祭が行われ、田植えが始まったそうです。
せっかくなので一番上まで上りました。ちなみに斜度はこんな感じです。
こちらが、てっぺんからの風景です。
様々な形の田んぼが広がっています。普段の生活では直線のものばかり眺めていますので、こうした不均一でありながら連続する曲線を眺めていると不思議な感じがします。
こんな小さなスペースにも丁寧に苗が植えられています。
さて、大中尾棚田では田んぼオーナー制度が設けられていて、様々な方が米作りを行っています。私のお気に入りの看板がこちら。お米のキャラクターがかわいいです。
あらためて、田んぼをのぞくと、おたまじゃくしがたくさん。おたまじゃくしを間近で見るのは10年ぶりくらいです。カエルがいたので捕まえようと思いましたが、感覚が鈍っていてすぐに逃げられてしまいました。昔は捕まえるのが得意だったのですが。
30分ばかり滞在しましたが、子どものころの気持ちを思い出しながら、ゆったりと流れる時間を過ごしました。
さて、帰りは海岸沿いの国道202号ではなく、山の中の道を選択。
途中で東シナ海を望む絶景に出会いました。ということで、70kmあまりの旅を終えて、出勤です。。。
長崎の上り坂、下り坂、まさか。
それでは、また次の坂道でお会いしましょう。
投稿者名:池田 耕一郎投稿時間:15:30