「坂道をゆく」③ 池田 耕一郎
2021年3月26日
こんにちは。
リレー日記「坂道をゆく」の第3回です。この連載は坂道を全身で体感して、長崎の歴史や文化、自然の魅力を探っていこうという、まったく個人的な趣味の企画です。どうぞ、おつきあいください。
第3回 「稲佐山の坂」
今回は長崎のシンボル、稲佐山についてのお話です。長崎に来て半年になりますが、
日々、この街の坂の魅力にとりつかれています。
住宅街を上り始めると椅子が置いてありました。いったい誰が置いたのでしょうか?休憩用でしょうか?
誰が座るのでしょうか?などと想像をめぐらすと楽しくなります。
年季が入った椅子ですが、脚は鉄製で多少の風では飛ばされなさそうです。
車が通る登山道路の入り口はこちら。立派な石碑が立っています。稲佐山ではなく稲佐岳と書いてあります。
ちなみにロープウェイの駅も「稲佐岳駅」です。稲佐山と稲佐岳?その違いは何?
気になるので、今度、調べてみようと思います。
ここから標高333mの稲佐山の展望台に向かいます。片道4㎞、標高差300m、最大斜度10%くらいです。
この坂道をのぼれば、もれなく箱根駅伝5区を走るランナーの気分を味わうことができます。
何度も脚が止まりそうになりますが、その度に思い出すのが「ピンチにスマイル!」という言葉です。
「ピンチにスマイル!」
この言葉は、個人的に尊敬する「2代目山の神」の柏原竜二さんの座右の銘です。
彼がまだ無名だった東洋大1年生のとき、無謀ともいえるほどのスピードで突っ込み、
そのままオーバーペースでつぶれるかと思いきや、
ひきつった笑顔を浮かべながら何人も抜き去って往路優勝したときの姿に、心の底から感動しました。
それ以来、「ピンチにスマイル!」を人生のさまざまな場面でひそかに使わせてもらっているのでした。
さて、坂道は続いていきます。「あそこを曲がると坂道は終わりかな?」と期待して、
カーブを曲がるとまた新たな坂道が現れる。
そんなつづら折りの坂を「ピンチにスマイル!」を唱えて上っていきます。
ここで、一つアドバイスします。稲佐山では坂道を決して振り返らずに上って下さい。
そうすれば展望台に到着したとき、ご褒美が待っています。それがこちら!
展望台エリアから東の方角を見渡すと、長崎の街を見下ろす絶景が広がります。
長崎湾を囲むように斜面地に広がる美しい街。もちろん夜景はみなさんご存じのように息をのむほどです。
そして、おススメなのが実は展望台の裏側にある西の方角です。夕日が落ちる頃になると、
外海に「天使のはしご」の神々しい光景が見られるのです。
古くから長崎の人たちはこの光景を眺めてきたのか、と考えさせられます。
長崎の「上り坂、下り坂、まさか」。
次の坂道で会いましょう!
投稿者名:池田 耕一郎投稿時間:10:00