2022/03/24(Thu) 14:30世界に誇る木曽漆器

こんにちは。
キャスターの宮野です。

先日、リニューアルオープンした
「木曽くらしの工芸館」の取材に行ってきました!

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「木曽くらしの工芸館」は
塩尻市木曽平沢にある道の駅で
地元でとれた野菜や
木曽の地酒や塩尻のワイン、
木曽漆器などの伝統工芸品なども販売しています。

去年12月から改修のため休館していて、
3月19日土曜日からの3日間、グランドオープンイベントが行われていました。

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新しくなった工芸品の売り場は
作品が作り手ごとに分けて並べられています。
それぞれ作った人の顔写真や工房の場所がわかる紹介カードも設置されています。

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作り手の顔がわかるとなんだか身近に感じられるような気がします。
このカードには工房の連絡先や住所なども書いてあります。
気になった作品があればこのカードを持ち帰って、
ぜひ工房にも足を運んでほしいとのことです。

また、毎週末には平沢地区などの職人たちが週替わりで訪れ、
会ってお話をしたり、ワークショップを開いたりする予定なのだそうです。

テーマは「作り手と会える道の駅」。
ここから木曽漆器のすばらしさがより広く伝わっていくのが楽しみです。


さらにオープンを記念したイベント中は
木曽漆器の展示も行われていました。

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背後にあるのは伊那市の寺の納骨棚の扉となる作品です。
長さおよそ10m。かつてない大きさです。

まだもう少し手直しする部分もあるということですが、
ほとんど完成したものが展示されていました。

近づくとこんな感じ。

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まき絵の技法を使って作られました。
描かれているのは南アルプスと季節の草花です。

アルプスの山肌には金箔が使われていて、
雪をかぶったところはプラチナで表現されています。


こちらは中央アルプス。

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これだけおおきなものが、なんと4つもあります。
うち2つは、
伊那谷から臨む南アルプスと
伊那谷から臨む中央アルプスが
左右対になるように設置されます。
いずれも10mの大きさを誇ります。

まき絵で描かれているのが現世なら、
沈金という技法で描かれているのは…

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仏教の極楽浄土の様子です。
美しい蓮の花とほうおう、そのまわりに天女が舞っています。

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こちらもこれだけ大きなものが2つあります。

以前の取材でも一部拝見しましたが、
今回こうしてすべて並べられたところを見ると
迫力もあり、とてもきれいでした。

もちろんこの作品も
それぞれ作った職人がいらっしゃってお話を聞くことができました。

作り始めたのは去年3月・およそ1年前ということですが、
さらにさかのぼると、デザインなどを決めるだけでも1年がかりだったということです。
ですから2年程この扉の制作にかかりきりだったそうです。

デザインが決まるまでに
実寸大のデザイン画も何度も書き直してとても大変だったとのこと。
一方、実際の制作作業が始まってからはあっという間だったと
沈金の職人がおっしゃっていました。

作り手と会うことができると
こうしたお話もお聞きできて楽しかったです。
「作り手と会える道の駅」すてきな施設だなと思いました。

投稿者: 宮野里緒  | 

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