農民美術

農民美術という工芸品をご存じでしょうか。
大正から昭和の初期にかけて洋画家として活躍し、上田市とも関わりの深い山本鼎が農閑期の仕事として全国の農村へ広めた木彫りの工芸品です。地域の風景や祭りなどを彫り込んだ壁掛けや小物入れなど、作品はさまざまです。その中で今回ご紹介するのは、壁に飾る「飾り板」です。

職人のご紹介

農民美術作家
池田初男さん (上田市)

ある程度満足した彫りが出来たなと思っても、人間って気分的な事で相当左右するから、色なんか付けても気に入った色が出てこないとかあります。展示会でお客さんに、「今回は良い物が出てるね。」とか、「この次は楽しみに待ってるよ。」って言われると、それがやっぱり元気の素みたいな感じがします。


<下絵の転写>
「下絵」を版画の要領で紙に転写する。
絵柄は上田地域の伝統芸能「上田獅子」 。

<板に下絵を貼り付ける。>



<彫刻作業>
絵柄の周りを深く彫り込み立体感をだす。
材料は彫りやすい落葉樹の板を使う。



<着色作業>
染料や水彩絵の具で、
色や模様を付けていく。

<透明な塗料を塗る>
着色した部分に透明な塗料を塗り、
表面を保護する。


<黒の染料で塗りつぶす>
陰影を付けるために墨汁を混ぜた染料を
全体に塗る。


<染料の拭き取り作業>
透明塗料で保護したところを拭き取る。
黒い中に獅子の絵柄が引き立ってくる。

<完成>

この農民美術は90年あまりの歴史がありますが、戦後作り手が少なくなり今は長野県の上田地域に伝わるだけになりました。池田さんは山本鼎が伝えたこの芸術をもっと多くの人に知ってもらい、これからも残していきたいと話いました。


【問い合わせ先】
〒386-0407 上田市長瀬1809-5
長野県農民美術連合会 池田初男会長
電話:0268-42-3650

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