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外国人が注目!“凍み(しみ)”文化ツアー

  • 2024年05月07日

 

2月半ば茅野市。
シンガポールから夫婦で訪れた観光客が80年余り続く寒天製造会社を訪れました。

「凍み(しみ)文化」の1つ、寒天作りを体験するツアーです。

このツアー。外国人観光客から注目されています。
この2年間で、世界およそ10か国・70人ほどが参加しました。

ツアー客を受け入れる茅野文法さんです。
諏訪地域でおよそ200年続く寒天の製法を守り続けています。

寒天作りに必要な条件は、3つ。
乾いた空気と、氷点下まで気温が下がる「凍(し)みる」寒さ。そして、日差しです。⁠

煮込んだ海藻を外に並べると、凍ったり、溶けたりを繰り返しながら、水分が抜け、やがて棒状の
寒天となります。

12月から3月にかけて行われてきた伝統の寒天作り。
しかし、気温の上昇で、10年前よりも製造できる期間が1ヶ月程度、短くなったといいます。
さらに、原料となる海藻の仕入れも、不安定になるなど、寒天を取り巻く環境は変化しています。

そんな中で始めたのが、この寒天の魅力を発信するツアーでした。

茅野さん

安定化を図るためにもう1つ経営の柱が欲しくて体験に踏み切りました。
ツアーをやる事によってやっぱり寒天を知っていただくということにつながって
寒天のファンになっていただくというのも実感しております。

ツアーを続ける中で、茅野さんに思いもよらないプレゼントがありました。
外国人観光客がこの地を訪れ描いた一枚です。雪をまとった山々。その麓に広がる寒天の干し場。

変わらない自然と人の営みの美しさが、描かれていました。
茅野さんにとっては見慣れた寒天の干し場も、外国人観光客にとっては特別な景色だと、
気付かされたといいます。

茅野さん

寒天干し場は冬だけの光景で、凍って溶けて形が変化して出来ていくのが不思議だと外国人の方は驚かれることが多いですね。
この地域でしかできないものだったり、ここでしかないものは逆に強みになると感じました。

寒天の魅力をさらに発信したい茅野さん。
この冬、地元の飲食店などと協力して「凍(し)み」の食文化を紹介する
グルメマップを作成しました。あわせて18か所が載っています。

グルメマップに掲載されている店の1つ。八ヶ岳の山麓で豆腐店を営む、小林哲郎さんです。

小林さんが15年間作り続けているのは、凍(し)み豆腐。
豆腐を凍らせて作る「凍(し)み豆腐」は、味の染みこみやすさと素朴な味わいが特徴です。

この「凍(し)み豆腐」、外国人観光客を受け入れるなかで、ある新たなメニューが…。

なんと「凍(し)み豆腐」をフレンチトースト風にしちゃったんです。
外国人にも受け入れてもらえるのではないかと考案されました。

凍(し)み豆腐を牛乳や卵、砂糖などを混ぜたものに30分程度つけて…。

バターでこんがりと焼くだけで完成! 

小林さん

これはねやっぱり目からうろこじゃないけど、豆腐って意外とこういうのに合うんだってことを再認識しましたね。


茅野さん

時代に合わせながらやっていくことで、この産業をまだまだ残せると思っております。うまく発信することによって、もっとこの地域の価値を上げていきたいです。

外国人観光客の受け入れがきっかけとなり、進化する諏訪地域の「凍(し)み文化」。
温暖化によって生産を取り巻く環境は厳しくなっていますが、生産者たちが工夫を凝らして
これからも食文化を通じて地域を盛り上げていきます。

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