“LINEアカウント乗っ取り”被害の実態は
- 2023年11月16日

通信アプリの「LINE」で、友人になりすましたメッセージが届きアカウントが乗っ取られる被害が長野県内で相次いでいることがわかりました。被害にあった40代の女性がNHKのインタビューに応じ、「信頼している友人からの連絡だと思ったので疑うことなく応じてしまった」などとその実態を語りました。
きっかけは久しぶりのメッセージ

NHKのインタビューに応じたのは、県内に住む40代の女性です。女性によりますと、11月上旬、県内の友人からLINEで「今忙しい?」と連絡が来たのに続き、「近くのコンビニでギフトカードを買ってきてほしい」とメッセージが送られてきました。
この友人からメッセージが送られてくるのは久しぶりで、女性は当初、勘違いで送られてきたものと無視していました。しかし、その後。

「データが消えてしまい解除するには友人の確認が必要です」などというメッセージと、サイトのURLが送られてきたということです。女性は、友人を助けようとこのサイトにアクセスし、みずからのログイン情報を入力しました。すると、女性はログイン出来ないようになり、さらに自分に送られてきたものと同じようなメッセージがLINEでつながっている家族や友人に知らぬ間に送られてしまったということです。

メッセージを見て不審に思った友人から電話で問い合わせを受けて女性はアカウントの乗っ取りに気づき、運営会社にアカウントの停止を依頼し、警察にも相談しました。そして最初にメッセージを送ってきた友人も何者かにアカウントを乗っ取られていたことを知りました。
女性はアカウント乗っ取りの被害を拡散させてしまったのではないかと強いショックを受けたといいます。
被害にあった女性
「信頼している友人からの連絡だと思ったので疑うことなく応じてしまった。私のためにほかの人が迷惑を受けたり、被害にあったりしたら申し訳ない」
そして、次のように訴えました。
「知っている人からの連絡だと疑わずにやりとりをしてしまうかもしれないが、個人情報を求めるサイトが出てきたらなりすましだと思って何もしないでほしい」
“乗っ取り”被害相次ぎ警察も捜査へ

警察によりますと、友人などからのメッセージをきっかけにLINEのアカウントを乗っ取られたという被害の相談は、県内でも11月上旬だけで6件寄せられているということです。被害者は40代から60代の女性で、いずれもすでにアカウントを乗っ取られていたとみられる友人から、「今忙しい?」とか「私のLINEアカウントが凍結された」などというメッセージが送られてきたということです。
その後、URLの載ったメッセージが届き、そのサイトにアクセスすると、LINEのログイン情報の入力を求められたということです。中には「電子マネーを購入してきてほしい」というメッセージが送られてきた人もいました。

これまでに金銭をだまし取られる被害は確認されていませんが、警察は不正アクセス禁止法違反の疑いで捜査しています。
被害防ぐにはどうすれば?

LINEの運営会社は特設のホームページでアカウントが乗っ取られる被害を防止する方法や、乗っ取られた場合の対策を紹介しています。

それによりますと、アカウントが乗っ取られる手口は主に2つで、1つは、今回県内の女性が被害にあったような、友人になりすましてLINEのメッセージでURLなどを送りログイン情報を入力させるものです。

もう1つは、運営会社を名乗ってメールやショートメッセージなどでURLを送り、「本人確認」などと称してログイン情報を入力させる手口です。
運営会社はメールなどでログイン情報を要求することはないとしています。
いずれの手口でも、URLにアクセスして表示される偽サイトは、色使いなどが実際のサイトと似ていて注意が必要だということです。
運営会社は、偽サイトに誤ってログイン情報を入力してしまった場合の対処法を紹介しています。

▼まだLINEが使える場合は速やかにログインに必要なパスワードを変更し、
▼ログインできなくなっている場合は「カスタマーサポート」と呼ばれる相談窓口へ連絡するようにしてください。