【2018年3月5日(月)放送 ゆる〜り信州 「防災の話」より】


御嶽山火山マイスターについて


「御嶽山火山マイスター」という資格についてご紹介します。平成30年1月に噴火した草津白根山の噴火も記憶に新しいところですが、今、県内で注目が集まっています。長野県危機管理防災課の窪田優希(くぼた・ゆうき)さんにお話を伺います。
この春(平成30年)、誕生する「御嶽山火山マイスター」についてご紹介下さい。


窪田さん:御嶽山火山マイスター制度は、噴火災害を風化させず、木曽地域を日本で最も火山防災対策が進んでいる地域にするために始まる制度です。このマイスターには、火山防災の普及啓発とともに、御嶽山が創り出した「地域の魅力」を内外に発信する役割が期待されています。


Q:マイスターになるためにはどうすればよいのでしょうか?


窪田さん:マイスターになるためには、事前の講習会への出席が必ず求められます。また、マイスター受験の応募の際には、御嶽山火山マイスターになった後の活動や、火山との共生について、レポートを書いて提出していただきます。そのレポートは、審査項目の1つとなります。その後、面接審査が行われ、合格した人が、「御嶽山火山マイスター」として認定されます。29年度の認定審査の申し込みは平成30年3月5日に締め切ったため、この放送で初めてマイスターのことを知った皆様には申し訳ないのですが、ぜひ今後とも注目していただければと思います。


Q:事前の講習会では、どのような勉強をするんでしょうか?


窪田さん:29年度の事前の講習会では、大きく2つの講習を受けてもらいました。1つは「火山の理科的知識」、もう1つは「御嶽山の特徴」です。「火山の理科的知識」では、火山が誕生する理由や噴火によって生じる現象について学んでいただきます。「御嶽山の特徴」では、御嶽山がどのようにこの地域を形成してきのか、過去の噴火や災害を振り返りながら、御嶽山についての知識を深めてもらいました。
これ以外にも、気象庁から発表されるさまざまな火山についての情報や、現在の火山防災への取り組みについても、しっかり学んでもらっています。


Q: 多くの活火山を抱える長野県では、「御嶽山火山マイスター」にどんな期待をしていますか?


窪田さん: マイスターの方々は、住民の皆さんや登山者、観光客にとって、火山防災の普及啓発の重要な役割を担っています。しかし、火山防災だけを全面にアピールしても、なかなか皆さんには伝わりにくいと思います。そこで、マイスターには、温泉や自然景観などの火山の恵みが、火山活動といかに関連があるか、そういった入り口から、火山防災の知識をわかりやすく伝えてもらうことが期待されています。


Q: 最後に、これからの防災・減災を考えるうえで、窪田さんは、どんなことが重要だとお考えでしょうか?


窪田さん: 火山防災の第一歩は「火山をよく知る」ことから始まります。ぜひ皆さんも、マイスター制度を利用して、火山について学んでみてください。火山について正しく理解していくことが、火山防災に取り組むことになります。噴火によってもたらされた「恵み」を大いに楽しみながら、防災も学ぶ、これが出来るのが、「火山」ですね!


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