【2017年6月26日(月)放送 ゆる〜り信州 「防災の話」より】


小諸市谷地原区の取り組み 


小諸市の谷地原(やちはら)区自主防災会をご紹介します。谷地原区の防災委員長で、谷地原区自主防災会の臼田映三郎(うすだ・えいざぶろう)さん(70歳)です。
まず、谷地原区についてご紹介ください。


臼田さん:小諸市の一番南に位置し、千曲ビューラインと皿掛川の谷にはさまれた新興住宅街です。およそ500世帯、1200人が暮らしています。想定している災害としては、近くの浅間山の噴火、火事、崖崩れなどです。


Q:臼田さんが所属されている谷地原区自主防災会についてご紹介ください。


臼田さん:区民全員の参加を基本とした自主防災組織で、防災訓練を毎年5月の最終日曜日に行っています。この防災訓練には、毎年300人ほどが参加します。特徴として、「救護班」を編成していることが挙げられます。区内に住む医療従事者を中心に、医師や看護師、介護福祉関係者、それから日赤の救急員など、27人に登録してもらっています。


Q:臼田さんご本人も、日赤の救急法指導員や災害ボランティアの赤十字救護隊をお務めのほか、「防災士」の資格もお持ちだそうですね。防災士とは、具体的にどのような資格なのでしょうか。


臼田さん:日本防災士機構の防災士認証規準に基づき、認定される資格です。大災害が発生した時に、消防、自衛隊などの公の機関が機能を発揮するまでの間、被害が少しでも軽減されるよう、地域の防災活動をします。具体的には、災害直後の近隣住民の救出支援、災害要援護者のケアなどに取り組みます。また、平時には防災意識の啓発や、防災訓練などに取り組みます。


Q:防災士、医師、看護師などが所属する谷地原区自主防災会では、防災訓練のテーマを毎年決めた上で行うそうですね。


臼田さん:去年(平成28年)は「救助・救護」をテーマにし、今年(平成29年)は「火災」をテーマにして防災訓練を実施しました。谷地原区は17班あり、班ごとに名簿を作り、班長のみに渡しています。この名簿を使って、区民が確実に避難できたかをチェックしました。また、それぞれの班で避難訓練中に消火栓や防火水槽の位置を確認し、自宅に一番近い設備がどこにあるのか把握してもらいました。また、小諸消防署の方々にも来ていただき、防火についての講話をしてもらったほか、消火器や消火栓による初期消火訓練も行いました。


Q: 最後に、これからの防災・減災を考える上で、防災士でもいらっしゃる臼田さんは、どんなことが重要だとお考えですか?


臼田さん: まずは、自分自身と家族を守る。その上で、周りの人々と協力して事態に対処する。こういった基本的なことが大事だと思います。また、減災のため事前の備えも大切です。さらに、もう一つ指摘したいのは、避難した後の防犯対策です。人々が避難した後の街には、いわゆる“火事場泥棒”が現れることもあります。防犯対策も忘れずにしてほしいと思います。



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