土砂災害への備え

【2016年6月23日(木)放送 イブニング信州 お天気マイメモより】


台風シーズンは大雨による土砂災害への危険が高まる時期です。
長野地方気象台、気象情報官の佐藤義之さんに「土砂災害への備え」についてお話を聞きます。

 

 

:長野県内は山も多く、地形的にも土砂災害の発生するリスクが高いと思いますが、今からできる備えはどんなものがありますか?


:「お住まいの地域を知る」ことです。

近くに山や崖、急な斜面はないか?
また渓流の近くにお住まいではないか?を確認してください。
そのような場所は大雨の際、土砂災害の起こる恐れがあります。

 

:そのほかに、危険箇所を確認する方法にハザードマップがありますが。

市町村ではハザードマップを作成して、 危険箇所などを冊子やホームページで発信しています。

お住まいの地域がどういう場所なのか、また、どういう危険があるのか確認をしてください。

 

 

まずは、予習が必要です。

下の図にあるように、気象台や自治体からも様々な情報が発信されています。

雨の降り方に応じて、大雨の可能性が高くなると大雨注意報。大雨が始まり、強さを増してくると大雨警報。
大雨警報が発表されている中で、土砂災害の危険がさらに高まった時に、市町村を対象に土砂災害警戒情報が発表になります。
これは、土砂災害がいつ起こってもおかしくないという重要な情報です。

 

面積が広い市町村などでは場所によって雨の降り方も違い、危険度に差があると思いますが。

 

:そういったときに活用してほしいのが、土砂災害警戒判定メッシュ情報です。
危険度を5段階で地図上に表示していて、ホームページで確認することができます。
例えば、お住まいの市町村に土砂災害警戒情報が発表され、危険箇所にお住まいで、
メッシュが濃い紫色の場合は命に関わるきわめて危険な状況になっています。そうなる前に早めに避難しておくことが重要です。


 

いざというときに情報を使えるように日頃から意識しておくことが大切です。
他にも土砂災害から身を守るために、目や耳で感じることのできる前兆現象があります。

 

 

地面に亀裂、異常な音、小石が落ちくる、濁った水が湧いてくるなどといったことが前兆として起こりやすいです。
いつもと違う異変を感じたら早めに避難をしてください。
ただ、夜遅かったり、すでに雨が非常に激しく降っていたりすると、外に逃げる方が危険な場合もあります。

 

そんな時にはどうしたらいいでしょうか。

Aそのような場合は垂直避難といって、家の1階よりも2階などできるだけ高いところ、そして山側とは反対側の部屋に避難をしてください。

家の中で一番安全なところに避難するのが大事です。
日頃から、土砂災害への意識を高めた上で、いざというときは状況に応じて身の安全を確保するということがポイントです。

 

災害から身を守るためには、ひとりひとりの防災意識を高めることが最も重要です。局地的な大雨の場合は、事前にしかも正確に予想することが非常に困難です。
もしもみなさんが異変を感じたらちゅうちょすることなく、ただちに命を守る行動をしてください。


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