これ知っ得?
2021/09/08

ワクチンの副反応に備える

「高熱が出るなんで想像していなかった」
「ワクチンの副反応がこんなに辛いなんて聞いてない」

SNSでは、新型コロナワクチンの副反応の症状を訴える声が飛び交っています。専門家からは「若い世代の方が副反応が出る確率が高い」と指摘されていて、これから若い世代の接種が本格化する中、不安を感じる人も多いと思います。
そこで、すでにワクチンを接種した人たちの声、事前の備えや注意点について、医師で岩手県感染症対策委員会の櫻井滋委員長の話をまとめました。

どんな症状? 60人に聞いてみた

今回、すでに県内でワクチンを接種した人たちに話を聞いてみました。取材に協力してくれたのは、20代から50代の男女60人です。
2回目の接種を終えた後、どんな症状が出たかを複数回答でたずねました。

ほとんどの人が接種部位の痛みを感じていたほか、37度以上の発熱、倦怠感、頭痛を訴えていました。続いて、1回目の接種後と2回目の接種後を比べてみました。

生活に支障があるほど副反応が「強くあった」と答えた人は、1回目では5%でしたが、2回目では20%で、1回目よりも増えていました。これは1回目のワクチンで、言わば「疑似感染」した状態になると、免疫ができて、2回目の際に、免疫反応が強く出るためだということです。「ワクチンが効いている証拠」でもあります。

症状が長期化するケースも

ほとんどの人が症状は軽く「1日程度」でおさまったと答えていましたが、中には「家の中をはうようにして移動した」という人や高熱が4日間続いたという人もいました。

備えと注意点 医師に聞いた

副反応について岩手県感染症対策専門委員会の櫻井滋委員長に話を聞きました。

Q SNSを見て不安を感じている人も多いですが、副反応についてどのように考えるべきでしょうか?

櫻井委員長

「みなさんが不安を感じられるのは当然のことと思います。ただ、副反応は、自分自身や家庭内で対応できるケースがほとんどなのに、そうした人の声はSNSには投稿されず、つらく感じる人たちだけの投稿が多くなりがちだということ。症状の軽かった大多数の人たちは書き込んでいないことが考えられます。現状では、政府が承認した年齢の小児や女性や妊婦を含む、どの年代でも副反応を理由にワクチン接種を避ける根拠はありません」
「3日程度は症状が続くことが予測されますが、例えば、水を十分に取ったり、血管の多い頭や首を冷やしたりすることで対応できるケースがほとんどです。ですので、SNSなどの情報については、自らにあてはめることなく、冷静に受け止めて欲しいと思います」
「その上で3日程度は、お仕事などを休める調整をしたり、あらかじめ買い物を済ませておくなどの準備をして、接種にのぞむことをおすすめします」

Q 症状が長引いた場合はどうすればいいのでしょうか?

櫻井委員長

「ただ単に38度の熱が出たというだけでは、無理に医療機関を受診する必要はありません。ですが、3日以上続いている場合、高熱や症状が4日も5日も継続しているときは、ひょっとしたら直前に新型コロナに感染していることも考えられます。そうした場合は、思い当たる行動歴がある方は特に、PCR検査を受けていただきたいと思いますので、迷わず医療機関に相談して欲しいです。もちろん、呼吸困難や耐え難い苦痛をともなう症状の場合は、3日以内であっても相談してください

Q 辛いときは解熱剤を服用してもいいですか?

櫻井委員長

「熱による苦痛が大きい場合や38度をゆうに超える場合には、市販の解熱薬や医師が処方する解熱薬で緩和することができます。ただし、解熱薬を事前に服用する事はおすすめしません。なぜならば発熱による全身の兆候を隠してしまう可能性があり、かえって副反応が長引いたり、気がついてみると重篤な状態になっていると言うことがあり得るからです。先にお薬を飲むことは慎重に。心配な方は、事前に医師に相談してください」

Q そのほか気をつけることはありますか?

櫻井委員長

「まだ予約が取れなかったり、順番が回ってこなかったりして、早く接種したいという焦りを感じる方もいるかもしれませんが、こればかりは行政の対応を粛々と待つしかありません。待っている間に、周囲の方が打ち、自分が守られることにもなることを理解していただきたい。大事なことは、ご自分が感染しないことです。
県内もほぼデルタ株に置き換わっているとみられますが、感染自体は、ワクチンを超えて起きるとみて間違いありません。重症化を防ぐ効果は持っています。現状では、ワクチン接種後も、引き続きマスクや手指消毒などの感染対策は継続してください

(2021年9月8日「おばんですいわて」で放送 放送時の情報に基づいて構成)

高橋記者

盛岡放送局 記者

橋 広行

2006年入局 広島局、社会部、成田支局を経て2019年から盛岡局。

休日は6歳と4歳の息子2人と岩手の大自然を満喫しています。

野村ディレクター

盛岡放送局 ディレクター

野村 苑香

2019年入局 盛岡局が初任地。初めての取材は、その年に陸前高田にオープンした「東日本大震災津波伝承館」。岩手のひとたちに向き合いながら、一人一人の言葉に耳を傾けたいと取材を続けています。