サッカーJ2昇格を決めた「いわてグルージャ盛岡」が昇格と同時に直面しているのがJリーグの基準を満たすスタジアムの整備です。
今後のチーム像を占い真のJ2昇格をもかけたグルージャの新たな挑戦が始まっています。
いわてグルージャ盛岡がホームゲームの試合会場としているいわぎんスタジアム。
収容人数はおよそ5000人ですが、先月、J2昇格がかかったホーム最終戦ではおよそ2500人の観客がつめかけスタジアムの観客席はほぼ埋まったような状態になりました。
今月5日、グルージャは悲願のJ2昇格を決めましたが、同時に突きつけられたのが、環境面でも一段上のレベルを求めるJリーグの制度です。J1では1万5000人以上、J2では1万人以上収容できるスタジアムの整備が求められます。
今のいわぎんスタジアムの収容人数はJ2の基準、1万人の半分程度にとどまります。
いわぎんスタジアムを管理する盛岡南公園球技場の齊藤仁 場長に聞くと、
Jリーグのスタジアムの基準はグルージャにとってはなかなか厳しいものですが、Jリーグにはクラブの健全な運営や充実した観戦施設の整備などを目的に「クラブライセンス制度」があります。
スタジアムの収容人数などの条件を満たさなければリーグ戦には参加できません。
そもそもJ2の基準を満たすスタジアムがないのになぜグルージャはJ2に昇格することができたのでしょうか。
実は、ことし9月にJリーグの基準を満たしたスタジアムを早期に整備することを約束し
J2のライセンスが交付されました。
いわば例外的措置で昇格が可能になったのです。
このため、来シーズンからJ2での戦いが続くとすると、参入3シーズン目の2024年までに場所や予算、整備内容を明示した基準を満たすスタジアムの建設計画をJリーグに 提出しなければなりません。
さらに8シーズン目の2029年までにスタジアムを完成させる必要があります。
しかし、こうしたスタジアムの建設計画は現在のところまったくの白紙で、3年後までに建設計画がまとまらないと、J2に所属していたとしても、翌シーズンにはJ3に降格となります。
スタジアム問題をグルージャの運営会社の坂本達朗社長に聞くと、
建設計画の提出まで時間的な猶予があまりないグルージャの最大の難関といえるのがスタジアムの建設費用です。
盛岡市や県はどのように考えているのか担当者に考えを聞きました。
盛岡市は現在、いわぎんスタジアムを管理しています。
盛岡市スポーツ推進課の白石雄太 課長
盛岡市スポーツ推進課の白石雄太 課長が指摘したのはいわぎんスタジアム近くで盛岡市と県が共同で100億円あまりをかけて建設を進める野球場です。新たなサッカースタジアムの整備には同程度の費用がかかるという認識を示しました。
そのうえで白石課長は
そして岩手県スポーツ振興課の畠山剛 総括課長は。
盛岡市も岩手県もまずはグルージャがスタジアムの構想を示すことが先で財政的支援を考えるのはその後だという共通したスタンスでした。
いっぽう、グルージャの坂本社長は新規での建設を要望したいとしています。
さらに、その条件については
J3参入から8シーズン目でJ2への切符をつかんだグルージャの坂本社長にスタジアムを含めたチームの将来像を聞きました。
盛岡放送局 記者
粟田 大貴
2021年入局
ホーム最終戦をスタジアムで観戦
小野田選手の決勝ゴールに感涙