インタビュー
2021/12/27

JR山田線で相次ぐ列車の遅れ
その原因と対策は?

盛岡駅と宮古駅を結ぶ山田線。

毎年9月から12月にかけて、列車の遅れが頻発します。

実際に山田線の利用者に話を聞いてみると · · ·

みなさん。かなりお困りのようでした。

なぜ遅れが起きるのか?その原因を探ってみると · · ·。

「空転」だということです。
空転とは、列車の車輪が空回りしスピードが出ず思うように前に進まない現象です。
空転を起こすと速度が出にくくなるため、列車に遅れが出てしまいます。
今年9月から11月15日までに山田線では車輪の空転による10分以上の遅れが66件おきています。

去年9月から12月にかけて盛岡支社管内の路線で空転による遅れが出たのは200件。
その6割近く116件が山田線で起きています。

さらに、このほとんどは10月と11月に起きています
ではなぜ空転が起きるのか?
その大きな原因は· · ·

なんと!沿線の落ち葉だったのです。
なぜ葉っぱが重い車体の列車の車輪に空転を引き起こすそのメカニズムは??

JRによると
@ 秋になると山田線沿線の木から葉が線路上に落ちる
A そこを列車が何本も通過し、葉を踏み潰す
B 踏まれた落ち葉からタンニンという物質が出る
C タンニンという物質がレールの鉄と反応し黒い膜ができる
JR東日本盛岡支社 田沢正樹 広報室長 「われわれは黒色被膜という言い方をしますがレールの表面が黒くなったりするんですね。
そういった所にさらに雨などでぬれた状態になると非常に(線路が)滑りやすくなるというのが我々が考えている(空転の)原因です」

さらに沿線に木が多く、傾斜もある山間部を走行する山田線ならではの環境も空転が起きやすい原因になっています。

実際、山田線で空転が頻発する区間は一部に限られています。
去年のデータでは下りでは盛岡市の上米内駅から宮古市の区界駅間が最も多くあわせて12時間以上、764分の遅れが発生しました。

上りでは宮古市の川内駅と区界駅の間でそれぞれ400分を超える遅れが出ています。
「空転」はいずれも山間部を走る区間に集中しています。

この区間についてJRは···

JR東日本盛岡支社 田沢正樹 広報室長 「(下りは)上米内から区界という駅の間が上り坂に(なっている)。
(上りは)川内から区界の間 区界を頂点として斜面が続いている。
様々な対策を施していかなければいけない区間としては認識しています」

空転による遅れを減らすためには、まずは原因となる落ち葉を減らすしかない。
JRはことし、空転が多発する上米内と川内の間で約50キロに渡って沿線の木を切りました。

さらにレールを滑りにくくする物質を噴射しながら列車が走行する取り組みも行っています

毎年、発生する空転による山田線の遅れ。解決策についてJRに聞きました。

JR東日本盛岡支社 田沢正樹 広報室長 「山間部を走る線区になるので沿線のすべての木をなくすのはなかなか難しい試行錯誤しているところで何が効果的だったのかをしっかり見定めたうえで(今後の対策を)やっていきたい」
取材を終えて 取材のきっかけはJRから送られてくる列車の遅れ発生の情報でした。
その原因は連日のように「空転」と記されていました。
鉄道はかなり好きなほうで···JRではありませんが私鉄の駅で駅員のアルバイト経験もある私も聞いたことがないワードでした。
それなりの重さのある列車を遅らせる原因が落ち葉とは···驚きでした。
JRに取材すると、全国的に見ても山田線は「空転」の発生が特に多い路線で、今回、残念ながら根本的な解決策は「試行錯誤の途中」ということでした。
来年の秋に向けてJRは「空転」対策を行っていくとのことでした。
こちらも継続して取材していきたいと思います。

2021年12月09日『おばんですいわて』で放送

粟田記者

盛岡放送局 記者

粟田 大貴

令和3年入局 警察・司法担当

学生アルバイトで東京・新宿駅の駅員経験

岩手県内でも“鉄分”補給中