盛岡駅と宮古駅を結ぶ山田線。
毎年9月から12月にかけて、列車の遅れが頻発します。
実際に山田線の利用者に話を聞いてみると · · ·
みなさん。かなりお困りのようでした。
なぜ遅れが起きるのか?その原因を探ってみると · · ·。
「空転」だということです。
空転とは、列車の車輪が空回りしスピードが出ず思うように前に進まない現象です。
空転を起こすと速度が出にくくなるため、列車に遅れが出てしまいます。
今年9月から11月15日までに山田線では車輪の空転による10分以上の遅れが66件おきています。
去年9月から12月にかけて盛岡支社管内の路線で空転による遅れが出たのは200件。
その6割近く116件が山田線で起きています。
さらに、このほとんどは10月と11月に起きています。
ではなぜ空転が起きるのか?
その大きな原因は· · ·
なんと!沿線の落ち葉だったのです。
なぜ葉っぱが重い車体の列車の車輪に空転を引き起こすそのメカニズムは??
さらに沿線に木が多く、傾斜もある山間部を走行する山田線ならではの環境も空転が起きやすい原因になっています。
実際、山田線で空転が頻発する区間は一部に限られています。
去年のデータでは下りでは盛岡市の上米内駅から宮古市の区界駅間が最も多くあわせて12時間以上、764分の遅れが発生しました。
上りでは宮古市の川内駅と区界駅の間でそれぞれ400分を超える遅れが出ています。
「空転」はいずれも山間部を走る区間に集中しています。
この区間についてJRは···
空転による遅れを減らすためには、まずは原因となる落ち葉を減らすしかない。
JRはことし、空転が多発する上米内と川内の間で約50キロに渡って沿線の木を切りました。
さらにレールを滑りにくくする物質を噴射しながら列車が走行する取り組みも行っています。
毎年、発生する空転による山田線の遅れ。解決策についてJRに聞きました。
2021年12月09日『おばんですいわて』で放送
盛岡放送局 記者
粟田 大貴
令和3年入局 警察・司法担当
学生アルバイトで東京・新宿駅の駅員経験
岩手県内でも“鉄分”補給中
そういった所にさらに雨などでぬれた状態になると非常に(線路が)滑りやすくなるというのが我々が考えている(空転の)原因です」