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俳優・戸塚純貴さん 新春インタビュー

今年にかける思い
  • 2024年01月11日

岩手県盛岡市出身の俳優・戸塚純貴さん(31)。
去年は、お笑い芸人のオードリー・春日さん役を演じたドラマ『だが、情熱はある』や、
映画『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』に出演するなど、個性派俳優としての活躍が目立ちます。
今年4月からはNHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』への出演も決まるなど、更なる活躍の年となる2024年。忙しいスケジュールの合間を縫って、インタビューに応じてくれました。
放送にはおさまらなかった部分を含めてお伝えします。

※この記事は、1月9日放送「おはよういわて」のインタビューなどから構成されています。

衝撃の気さくさ…

「どうしたんですか?今日。」 緊張する我々に声をかけてくれた

取材日は、朝ドラ『虎に翼』の撮影日。
新人ディレクターの私。戸塚さんと初対面なのはもちろん、
たくさんのスタッフがいる朝ドラの撮影現場も初めて。
漂うアウェー感に緊張を隠せない中、戸塚さんはニコニコしながら、私たちに話しかけてきてくれました。

おしゃべりが好きだという戸塚さん。
撮影現場での待ち時間にも、ドラマスタッフや共演者の方々と積極的にお話されていました。
どんなことを話されているのか、後から伺ってみたところ…

(戸塚さん)
お芝居の話はもちろんしますし。
…でも基本的にはそんな関係ない話が多いのかな?

人となりが知れていると、お芝居の中でも遠慮がなくなったり、広がりが生まれる時もあるので、コミュニケーションは積極的に取っているのだそうです。

ドラマの撮影が無事終わり、インタビュー場所へ移動する車中。
やはり硬さの抜けない私たち撮影クルーに、

話しましょうよ!僕おしゃべり大好きなんです。

ドラマロケ終了直後、お疲れのところを、
あたたかな人柄で包み込んでくださいました。
あまりの気さくさに衝撃を受けつつ、道中10分ほど楽しくお話しさせていただきました。

もともとは違う道

2011年に俳優デビューし、今年で13年目を迎える戸塚さん。
ですが、実はもともとは全く異なる職業を目指していました。
盛岡中央高等学校の自動車工学科を卒業。自動車整備士を目指していたんだそうです。
戸塚さんの公式プロフィールの資格欄には、特殊技能がズラリ。
 

                        株式会社ボックスコーポレーションHPより

地元・盛岡から出るつもりはなく、自動車整備士としての就職活動に取り組んでいた10代。
しかし、就活に失敗。
逆に、母親が応募していたジュノン・スーパーボーイ・コンテストには合格。

こんなチャンスもないしっていうのもあって、ちょっと東京に行ってみようかなと。

高校生の頃の戸塚さん

しかし、上京の数日前に、東日本大震災が。
東京に行って良いものか。戸惑う戸塚さんの背中を押したのは、母親だったそうです。

「こういう時だから、あなたは東京に行きなさい」

震災が起こって、でも自分に何ができるのかみたいなことを思った時に、
今多分自分にできることというか、(俳優として活躍することで)地元を盛り上げられたらいいなっていう、何かそういう思いもあったと思いますね。

岩手に帰ると岩手モードになっちゃう

そうして生まれ故郷を出た戸塚さんですが、今でも盛岡が大好きだと言います。
上京当初、故郷との違いを一番感じたのは、時間が進むスピード。
地元でゆっくり生きてきた戸塚さんにとっては、歩くスピード一つとっても、
東京は全てが早すぎて、戸惑いを覚えました。

1回地元に帰ると、(時間の流れが)すごいゆっくりになっちゃうんですよ。で、東京に戻ってきたときにすごい疲れちゃうんです。もうモードが岩手になっちゃってるから。やっぱり自分が育ってきた街に帰ると、どうしても仕事のことを忘れちゃうんで。それが息抜きになってね、すごいありがたいなと思いますけど。

雄大な自然に囲まれた盛岡で、ゆったりと育った戸塚さん。
かけだしのころは、岩手で育まれたマイペースさゆえの苦労もあったそうで…

若手の時に、ガツガツしてなくて、マネージャーにすごい怒られました。何かもっと、これからやっていくぞっていうメラメラした感じとか、そういうのがないのか?って感じで、お尻を叩かれました。

                        撮影:小林ばく

20代前半くらいの時はみんな同世代で、みんなで売れような!って感じもあったけど、その輪にも僕はあんまり入れなかったな…

今では、持ち前のコメディーセンスを発揮して、
シリアスな役から、三枚目まで幅広く演じ分け、活躍の場を広げる戸塚さん。
岩手山の雪解け水が、時間をかけて里山を潤していくように、
戸塚さんもまた、じっくりと自分のペースで、道を切り拓いてきました。
メインキャストではない作品でも、物語の世界観に奥行きを加える
スパイスのような仕事ぶりが光ります。

戸塚さんのこれから

最後に、俳優として今後目指したい方向性を伺いました。

方向性は…模索中。いろんな方向に行きたいなと思いますよね。こうなりたいとか、ああなりたいとか、前はあったんですけど、最近は思わなくなりました。

同じような質問をされたときに毎回僕が思うのは、“良い大人になりたい“
演じるも何も、やっぱり自分の人生を豊かにしていかないとリッチなお芝居ってできない気がするので。”良い芝居してやれるぞ!“よりも、多分、良い生活、良い人生、良い人との出会い。そういうのを大切にしていきたいって思います。

インタビューを終えて

飾らない人柄で、ご自身の実感のこもった言葉で丁寧にお話くださる姿が印象的でした。
お母様の影響もあり、子供の頃から喜劇やお笑いが好きだったという戸塚さん。
インタビューの合間にも、思わずくすっと笑ってしまう小話を入れてくださったり、
斬新な“1年の抱負”を披露してくださったりと、天性の明るさで、笑いの絶えない現場でした。

私も、岩手県民の一人として、これからの活躍に期待せずにはいられません。

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