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大谷翔平 右肘じん帯損傷 今季投手としての登板なしに

  • 2023年08月24日

豪快HR後にまさか…

奥州市出身、大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、右肘のじん帯を損傷したとしてピッチャーとしては今シーズンを終えることになりました。

大谷選手は23日、本拠地アナハイムで行われたレッズとのダブルヘッダー第1試合に先発ピッチャー兼2番・指名打者で出場しました。大谷選手は右腕の疲労のため、今月16日に予定していた登板を回避し、中13日でのマウンドでした。
1回は1アウトからスプリットで2者連続三振を奪うなど上々の立ち上がりを見せました。
その裏、バッター大谷選手はノーアウト一塁の場面で初球の速球を鋭く振り抜き、ライトスタンドへ4試合ぶりとなる今シーズン44号のツーランホームランを打って先制点をあげました。打球速度は186.2キロ、飛距離は134.7メートルでした。大谷選手はあと2本でシーズンMVPに輝いた2021年の自己最多ホームラン数、46本に並びます。

26球で緊急降板

2点をリードした直後の2回、ピッチャー大谷選手は先頭バッターにフォアボールを与えたあと続くバッターをショートフライに打ち取りました。

しかし、3人目のバッターに対して5球を投げたあと、みずからベンチにサインを送り、急きょ、マウンドを降りました。大谷選手が2回途中でマウンドを降りるのは今シーズン最短で、球数は26球でした。この後、3回の第2打席で代打を送られバッターとしても交代し、この試合1打数1安打2打点で打率が3割5厘となりました。

およそ2時間後に行われた第2試合には2番・指名打者として出場し、5打数1安打でした。
球団は当初、第1試合で大谷選手が交代した理由について、“右腕の疲労”と発表していました。

しかし、エンジェルスのミナシアンGMは試合後の会見で、大谷選手の状態について次のように話しました。

エンジェルスのミナシアンGM

エンジェルス ミナシアンGM
「検査の結果、右ひじのじん帯に損傷が見られた。
 今シーズン、ピッチャーとしてはもう登板することはない」

今シーズン、大谷選手はピッチャーとしてここまで23試合に登板して10勝5敗、防御率3.14の成績で、大リーグで史上初めて2年連続で「ふた桁勝利・ふた桁ホームラン」を達成しました。
シーズンの規定投球回には到達していませんが、132イニングを投げて167個の三振を奪っていて、ヒットを打たれた割合を示す被打率は、0.184で大リーグトップです。

今季 投手終了 今後の起用法は…

大谷選手の今後の起用法はどうなるのか。
大谷選手は、大リーグ1年目の2018年6月にも、右肘のじん帯に損傷が見つかり、その後は治療を続けながらバッターとして出場しました。
ピッチャーとしては、シーズン終盤の9月に復帰しましたが、登板後にじん帯に新たな損傷が見つかり、シーズン終了直後の10月にじん帯を修復する「トミー・ジョン手術」を受けました。
その後は、1年以上に及ぶ長いリハビリのため、2019年はピッチャーとしては全休し、2020年も2試合で
わずか1回と3分の2イニングしか投げられず、ピッチャーとして本格的に復帰したのは、9勝をあげた2021年のシーズンからでした。

ミナシアンGMは、大谷選手の今後について、沈痛な面持ちで話しました。

エンジェルス ミナシアンGM
「2018年もひじの損傷がある状態でバッターとして試合に出たが、今後は基本的に出場するかど うかは毎日の様子を見ながらになる。とても残念だし、彼のことを思うと心が苦しい」

5年前と同じくバッターとして出場する可能性は、排除しなかったものの、25日からニューヨークで行われるメッツ戦に出場するかどうかは明らかにせず、大谷選手の体の状態について慎重に見極めていく考えを示しました。

23日の大谷選手

                                   <時系列:時間はアメリカ太平洋時間>
▼午後1時9分
レッズ戦の第1試合開始。
大谷選手は2番・指名打者兼、先発ピッチャーとして先発出場。
今月9日以来、中13日での登板。

▼午後1時20分
1回の第1打席に先制の44号ツーランホームランを打つ。

▼午後1時31分
ピッチャーとして2回途中でマウンドを降りる。
その後、指名打者としても交代し、球場で検査と医師の診察を受ける。

▼午後4時17分
第1試合終了。エンジェルスは4対9で敗れ、3連敗。

▼午後6時39分
レッズ戦の第2試合開始。大谷選手は2番・指名打者で出場。
ツーベースヒットを打つなど5打数1安打。

▼午後9時48分
エンジェルスは3対7で敗れ、4連敗。

▼午後9時59分
ミナシアンGMが会見で大谷選手の右肘じん帯損傷を発表。

SNSに気遣う声相次ぐ

大谷選手が右ひじのじん帯を損傷したとしてピッチャーとしては、今シーズンを終えることになったという報道を受け、SNSのX、旧ツイッターでは、
「ショックすぎる」「残念無念」といった率直な反応のほか、
「長期離脱しないでほしい」「ぜひ早めの復活を期待したい」「一日も早く治るよう願います」といった投稿が相次ぎました。

また「打者として出続けてほしい気もするけど、手術が必要ならそちらを優先してほしい」、「2018年と一緒でトミー・ジョン手術するんだろうか?」といった投稿も多く、今後手術が必要なのかどうか
関心が集まっています。

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