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インタビュー・メッセージ

トロガイ役高島礼子さん インタビュー

メイクのおかげで「何をやっても恥ずかしくない!」

実は今回、トロガイ役をいただく前に「ファンタジーのすごい大作をつくるらしい」といううわさを聞いていて、「それ、ぜひ出演させてほしいなぁ!」と思っていました。というのも、私はファンタジー作品が大好きなので、どんな役でもやってみたいと本気で思っていたのです。ですから、「200歳くらいのおばあさんなのですが…」というお話がきたときにはとにかくうれしくて、「おもしろそう! やります」と答えました。
特殊メイクのため、撮影前の支度には毎回3〜4時間かかります。でも、顔全体が接着剤でパックするように覆われるだけあって、全く別の人格になれたような感じがして。監督からコミカルな動きを要求されても、ふだんでしたら「うわあ、ちょっと待って…」と一瞬考えるのですが、今回は「分かりましたっ!」と即答。叫ぼうが変な顔をしようが、何をやっても本当に恥ずかしくないんですよ(笑)。…ただ、一生懸命笑っているのに笑っているように見えないとか、表情が読み取りにくい難点はあって。少しでも表情が伝わるよう、目の際ギリギリまで覆っていたメイクのふちを少し広めにしてもらったりなど、スタッフ皆と試行錯誤しました。

呪術師トロガイをリアルに演じるために

特殊メイクに衣裳、そして所作も広崎うらんさんにご指導いただき、せっかく完璧な200歳の外見をつくっていただいても、声が若かったら台なしです。そのため、声はいちばん大事に考えましたね。初めは「ゔ〜」みたいなしゃがれた声を想像したのですが、監督と相談する中で、トロガイは説明をするセリフが結構あるので、はっきり聞き取れないと困るという話になりました。ですので、あまりやり過ぎず、かつ見た目に合う声というのを模索していきました。
物言いはつっけんどんで奇想天外なトロガイですが、呪術師としての才能があり、弟子やバルサにも慕われているとても人間味のある人物です。その魅力は頑張って表現していきたいですね。
ファンタジーのよさは、見ている側が“非現実世界”を自由に想像できるところだと思うのですが、演じる側がその世界の中でリアルに存在するのは難しいだろうと考えました。確かに、最初の本読みのときに上橋先生が「ファンタジーだけれども、リアルにしていただけるとありがたいです」というお話をしてらっしゃったように、ファンタジーだからといって“うそ”ということではなく、見てくださる方が現実的に受け入れられる作品でなくてはなりません。そういう意味では、トロガイは“リアルに”というのが難しくプレッシャーもありますが、演じる側の課題だと受け止めています。

タンダとトロガイの凸凹コンビ

タンダの師匠としては、彼のバルサに対する恋心のようなものも見抜いていますし、彼こそ自分がいちばん守るべき者と考えているのかなと感じています。その唯一のかわいい弟子を演じる東出君はとても背が高く、私は常に中腰のような姿勢なので、見上げるときが多くちょっと大変でした(笑)。でもそんな凸凹コンビがいいのでしょうね。東出君は芝居のことについて、監督によく質問をしていました。そういう彼のタンダになろうとする意欲は、見ていてすごく気持ちがよかったです。
バルサは、最初にアクション指導の方が「綾瀬さんをよりカッコよく、最高のアクションシーンを」とおっしゃっていたように、やっぱりカッコいいですよね。私があと20歳若かったら、バルサをやらせていただきたかったと思うぐらいです(笑)。はるかちゃんは疲れを知らないのかなと感じるほど何回も、よりよいアクションを追求して努力する姿が印象的でした。…ですがふだんは、明るくてチャーミングで全然違うんですよ。バルサを演じているときはまるで別人のようなので、一体どちらが本当のはるかちゃんなのかと、見ていておもしろかったですね。

水の中のシーンに悪戦苦闘!

…そんなタンダとバルサにチャグムを加え4人で旅をするシーンでは、岩場や草原、山道などを歩きましたし、第3回の狩人とラルンガから逃れるシーンでは、足場の悪い中を駆けずり回りました。…ですが、どのシーンよりも大変だったのが、第2回の水の民(ヨナ・ロ・ガイ)と話をして水の中から出てくるシーンです。プールにつかっている私に、監督は「ヒュ~って出てきてください」とおっしゃる。ですが、布団のような衣裳が水を含んで重くなり、“ヒュ~っ”とは「出られない!」。長い時間プールの中でひとり悪戦苦闘していたら、いつの間にか女性スタッフが私の周りを囲んでいて、「大丈夫ですか?」と。…涙が出そうになりましたよね。これぞ女子力です(笑)。このようにトロガイは、なかなか難しいシーンが多くてハードでしたが、特に今回はスタッフにたくさんのパワーをいただき「私はもっと頑張れる」と感じられました。
全てのシーンが印象深く本当にやりがいがありましたし、作品全体としても、スタッフとキャストの力、そしていろんな技術が駆使された本当に見事なファンタジー作品になったと思いますね。映像がどんなふうにでき上がったのか、私自身もとっても楽しみにしています。

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