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朗読で味わう 森鴎外『安井夫人』  細田史雄アナウンサー

宮崎・清武が生んだ偉人の生家も紹介
  • 2024年06月05日

 

アナウンサーの細田史雄です。

宮崎市清武町出身の儒学者・安井息軒(やすいそっけん)。  
プロ野球オリックスのキャンプ地となっているSOKKENスタジアムにもその名が残る、地元が生んだ偉人です。  
実は、文豪、森鴎外は、息軒と妻・佐代の生涯を小説『安井夫人』として発表しています。今回は生家や記念館をご紹介しながら、ラジオ文芸館でお届けした朗読をお届けします。どうぞお楽しみください。 朗読はこちらをクリック

森鴎外作「安井夫人」

「舞姫」「高瀬舟」など数々の名作を残した明治大正時代の文豪、森鴎外。  
その森鴎外が書いた宮崎ゆかりの作品が『安井夫人』です。  
タイトルの『安井夫人』は、幕末の儒学者・安井息軒の妻・佐代のこと。  
日向国宮崎郡清武村(現在の宮崎市清武町)出身の安井息軒(仲平)は優れた儒学者で、江戸に出てからは徳川斉昭に助言したり、陸奥宗光など明治の政治家を育てたりました。

「息軒肖像」

ただ、痘痕面の醜男だったため嫁探しには苦労しました。  
作品には、「岡の小町」と呼ばれた佐代との縁談のいきさつや、その後の生涯が淡々とした文章で描かれています。

いまも残る 安井息軒の生家

朗読をする前に、当時の雰囲気を少しでも感じられたらと安井息軒の生家と記念館にお邪魔しました。  
宮崎市中心部から車で約20分の宮崎市清武町。緑あふれる丘陵地帯の一角に息軒の生まれた集落があります。こちらが安井息軒の生家。国の史跡に指定されています。

「息軒旧宅」

お父さんも儒学者で、飫肥藩で先生もしてたそうです。  
保存会のみなさんが手入れをしていて、誰でも見学できます。

「梅の木と実」

庭には安井息軒が植えた梅の木が残っています。  
樹齢百年を超えているはずですが、いまでもこんな実がなります。

記念館で発見 息軒ゆかりの品々

生家の向かいには息軒に関わる興味深い史料が展示されている記念館が設置されています。

「安井息軒記念館」

名刺も作っていたそうですよ。  
字はあまり上手ではなかったということですが、味のある名刺ですよね。

「安井息軒の名刺」

こちらは妻、お佐代さんの着物。  
作品には、贅沢を望まず、質素な暮らしをしていたと記されています。

「お佐代さんの着物」

物語には二人の生涯の舞台となった、清武の風土や、のちに学問の道へ進み江戸に移ってからの暮らしぶりもいきいきと描かれています。

開館時間:午前9時~午後4時半(最終入場4時)  
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)12月29日~1月3日。入館無料。  
問い合わせ:0985-84-0234

朗読で味わう 息軒の生きざま

その森鴎外作『安井夫人』。作品が発表されたのは、大正三年(1914年)です。  
文体や構文が今とはかなり違いますし、二人の生涯を30頁に詰め込んでるので多くの人の名前や地名が登場します。どう読んだら耳で聞いてすんなりわかってもらえるか、かなり苦労しました。音響効果担当者も、みなさんに想像を膨らませていただけるよう工夫を凝らして制作しました。ぜひ当時に思いをはせながらお聞きください。 

本編はこちら

読めば読むほど味わいが深まる『安井夫人』。  
朗読をきっかけに、宮崎の魅力を再発見できました。(アナウンサー 細田史雄)

(この記事は古今の短編小説をアナウンサーが朗読する『ラジオ文芸館』(2024年5月20日放送)とてげビビ!(同17日放送)をもとに執筆しました)。

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