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能登半島地震の想定外 全国からの救援物資を避難所へ届けられるか?南海トラフ巨大地震を考える

  • 2024年02月01日

南海トラフ巨大地震をはじめ大規模な災害が起きた際に、全国から寄せられる救援物資を避難所に迅速に届けることができるのか、能登半島地震の教訓を踏まえて再点検する必要があります。

救援物資の輸送ルートは?

能登半島地震では発災当初、全国からの救援物資を避難者に振り分ける作業の人手確保が難しく、受け入れを控える自治体がありました。

南海トラフ巨大地震が起きた際、救援物資をどこに集め、どうやって避難者のところまで届けるかは宮崎県の実施計画であらかじめ決められています。県外からの支援物資を集積する「広域物資輸送拠点」は5か所あり、①都城市は宮崎自動車道のインターチェンジに近い「都城トラック団地協同組合」、②高千穂町の家畜市場、③日向市にあるJAのしいたけ流通センター、④宮崎市清武町の高台にある運送会社の営業所、⑤日南市南郷町のくろしおドームが選定されています。

令和4年に開かれた「宮崎県防災会議第1回物資拠点整備部会」の資料より抜粋

いずれも津波の被害を受けないとされる場所で、物資を集積する広い屋内スペースと駐車場があることなどが条件になっています。集まった物資は「緊急輸送ルート」に指定されている道路を通って被災者のもとに運ぶことになっていて、計画ではこうしたルートはほかの道路に優先して土砂の撤去などを行い、通行できるようにするとしています。

県内での保管も必要

さらに、大規模災害に備えた備蓄を保管する場所も必要となります。宮崎県ではこうした備蓄場所を県の防災庁舎や出先機関などに設けていますが、いずれも備蓄を保管する専用の施設ではありません。そこで、県では災害が起きたときに物資を迅速に運び出し、輸送できるように設計された施設を新たに高鍋町の県農業大学校のグラウンドの一角に整備する計画を進めています。この場所は、津波などの災害リスクが低く、国道10号線や高速道路にも近いため、拠点の場所として最適だということです。

これまでの備蓄場所では、食料や毛布、災害支援物資が学校の教室などにところ狭しと積まれており、一つ一つ段ボールを手作業で運び出さなければいけないというのが課題で、エレベーターもないため、重い物資を手に階段を降りなければいけませんでした。新たに整備される拠点は、物流倉庫のような広さがあり、物資を大量に保管できることが想定され、フォークリフトなどを使うことで一度に多くの物資を運び、迅速に被災地に送ることもできます。

2023年取材時の様子(元県立都農高校)

研修会で手順を確認

南海トラフ巨大地震をはじめ大規模な災害が起きた際に全国から寄せられる救援物資を避難所に迅速に届ける手順などを考える研修会が1月30日に宮崎県都城市で開かれました。研修会は都城市をはじめ、宮崎市や日南市など県南部の10の市と町で作る協議会が初めて開いたものでそれぞれの自治体などから30人が参加しました。
参加者は、6人ほどのグループに分かれ、届けられた水や毛布などの救援物資の量をもとに拠点のどこに整理して保管すれば、輸送用のトラックに迅速に積み込むことができるかなどを検討していきました。

物流会社の社員からは、積み込みの際に使うフォークリフトが移動できるスペースの確保についてアドバイスがあり、参加者たちは、重機やトラックの動線をふまえて救援物資の保管や積み込み場所を決めていました。えびの市の基地・防災対策課の坂本和彦課長は「研修会で学んだ物流の専門家の意見などもふまえて市の組織の中で学びや気づきを共有していきたい」と話していました。

能登半島地震では道路の損壊が激しかったうえ、う回路の確保も難しく、救援物資の到着に時間がかかりました。南海トラフ地震に備える宮崎県としても事前の計画通りに、支援物資を効率的に迅速に届けることができるのか、今回の教訓を踏まえて再点検する必要があります。

  • 古川 恭

    NHK宮崎・記者

    古川 恭

    宮崎に住んで丸8年。現在は県政を担当しています

  • 福島 雅博

    宮崎局・記者

    福島 雅博

    富山局を経て宮崎局に。都城支局と選挙担当。

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