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強まった地元志向で人口減少に前向き変化も「女性の流出は止まらない」人口データを記者が解説

  • 2024年01月26日

宮崎県が1月25日に発表した「現住人口調査」で県内の出生数は1割近く減少していました。
そんななか人口データから“前向き”な変化の兆しも見えてきます。県の統計調査課に協力してもらって分析したデータを記者が解説します。

1年で17クラス分の子どもが減っている

宮崎県が1月25日に発表した「現住人口調査」によりますと、去年1年間に県内で生まれた人の数は、外国人を含めて6552人で、おととしの7155人から603人減少しました。小学校で考えると、1クラス35人として1年で17クラス分の子どもが減った計算です。2011年までは1万人を超えていた県内の出生数ですが、年々、減少幅が拡大していて、1学年の子どもの数はこの12年間で3分の2になっています。

「自然増減」は歯止めかからず…

人口の動きは、生まれる子どもの数と亡くなる人の数を比べた「自然増減」と、県外に転出した人と転入した人を比べた「社会増減」を合わせて決まります。

去年1年間に死亡した人は1万6315人で、前の年から259人増え、統計が残る範囲でこれまでで最も多くなりました。この結果、出生数から死亡数を引いた「自然増減」は9763人のマイナスとなりました。
宮崎県の人口は現在、103万9000人余りですが、国の研究所の推計では今後も減少は止まらず、6年後の2030年までに100万人を下回り、2050年には80万人を下回る見通しです。

中でも串間市、五ヶ瀬町、日之影町、椎葉村、美郷町、諸塚村の6つの自治体では、2050年には現在の半分以下まで人口が減るとされています。出生数の急減を食い止め、人口減少のカーブをなだらかにする努力が求められています。

前向きなデータも

一方で宮崎がずっと課題だと言われ続けていた「人口流出」が収まってきたというデータもあります。15年前の2008年にはおよそ5000人、5年前の2018年でもおよそ3000人のマイナスとなっていましたが、今年は643人のマイナスにとどまっています。

コロナ禍で移動が制限され、地元志向が強まったと言われていますが、宮崎ではその傾向が続いているという見方があります。また、最近では移住を決めた人に対する自治体の充実した支援策も効果を上げています。都城市では去年4月から「夫婦で移住すると最大300万円、4人家族だと最大500万円」という破格の給付金制度をスタートさせました。市によると12月末までに1522人が移住し、これは前の年の同じ期間と比べて1000人以上多くなっています。

女性の県外流出は止まらず

「人口流出」は収まってきたことが分かりますが、少し気になるデータもあります。それが女性の流出は男性ほど収まっていないというデータです。おととしの総務省のデータをみると、女性は男性の2.4倍「流出」していました。女性の流出が続くと将来生まれてくる子どもも減ることになるので、原因を分析して対応する必要があります。

高齢者の実数は減少に

県内の65歳以上の人口は去年10月1日時点で35万1082人で、前の年から761人減りました。県内の高齢者人口は調査手法によるブレによるものを除くと戦後、一貫して増えていて、減少するのは実は今回が初めてです。

主な理由として、人数が多い、いわゆる団塊の世代が75歳を超え、亡くなる人が増えてきたことがあげられます。国の推計を見ても県の高齢者人口は今がピークで、今後は減少していく見通しです。東京などは今後も高齢者の実数が増え続けるので、これは宮崎など地方の特徴と言えます。

変化の兆し捉え 前向きな循環を

しかし、子どもや現役世代は高齢者以上に減っているので、割合で見た「高齢化率」は今後も上昇していきます。ただ、高齢者の実数が減るということは将来的に医療や介護にかかる負担も減っていくことを意味します。その分の資金や人手を子育て支援などに回せば、前向きな循環を起こしていくこともできます。人口減少とひとくくりにするのではなく、細かい数字を見て手を打っていく必要がありそうです。

  • 古川 恭

    NHK宮崎・記者

    古川 恭

    宮崎に住んで丸8年。現在は県政を担当しています

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