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「最大震度7」「揺れは3分続く?」能登半島地震を超える南海トラフ巨大地震 いまできる備えは?

  • 2024年01月19日

駿河湾から日向灘にかけてのプレート境界を震源とする、南海トラフ巨大地震。
国内では東日本大震災を上回る被害がでることも考えられています。京都大学防災研究所の山下裕亮さんとNHK宮崎災害担当の柳原章人記者が宮崎県内への影響について解説します。

「最大震度7」揺れへの備え

1月1日に発生した能登半島地震。被害の大きさに驚かれた人も多いと思いますが、宮崎でもっとも警戒しないといけない災害が、南海トラフの巨大地震です。宮崎県によると、県内の被害は最大で死者は1万5千人、8万棟の建物が全壊し、避難者は30万人以上に上ると試算されています。

南海トラフ巨大地震では「揺れ」「津波」「液状化現象」この3つのリスクに備える必要があります。まずは地震の揺れです。下の写真は宮崎県が各市町村ごとに想定している最大の震度分布です。

宮崎県が各市町村ごとに想定している最大の震度分布

あくまで最大で予想される震度ですが全市町村で震度6弱から7の強い揺れが想定されています。どうしても揺れの「強さ」に目が行きがちですが、揺れの「長さ」にも注意が必要です。揺れの長さは、約3分間と予想されています。

能登半島地震も最初の揺れはわずか20秒程度でしたが、被害が拡大しました。特に古い木造の建築物では、建物の下敷きになったり、避難の妨げになるなど、多くのリスクが指摘されています。
建物だけではなく山間部では土砂崩れなどにより道路が寸断され、孤立集落が発生したり、物資の輸送も遅れたりしましたが、宮崎でも同じ事態が起こり得ます。特に宮崎県は中山間地が多く、使える道路も限られているので、注意が必要です。

「津波」生死を分ける準備の時間

そして長い揺れが収まったたら、すぐに津波がやってきます。県内の沿岸には、最大17メートルの津波が来ると予想されています。下の写真は自治体別に想定される最大の津波の高さと到達時間です。

自治体別に想定される最大の津波の高さと到達時間

ここで注目したいのは津波の到達時間です。最短14分、遅くとも20分程度で津波がやってくることがわかります。能登半島地震では最速1分で津波が到達したと言われていますが、14~20分というと意外と時間があるように感じる方もいるかもしれません。
そこで津波到達までの時間を考えるために宮崎市青島を例にとった、地震発生からのタイムラインを用意しました。

宮崎市青島を想定した地震発生からのタイムライン

青島の場合、津波到達まで22分間ありますが、この時間は地震発生からの時間です。つまり、揺れて身動きが取れない3分、避難のための準備を行う5分、22分のなかにはこの8分が含まれており、実際に避難に使える時間は14分しか残っていません。

東日本大震災では、揺れの時間と避難の準備で平均15分かかったとういう調査もあります。その結果、多くの人が逃げ遅れて亡くなりました。「準備」の時間をいかに短くするかが、生死をわけることになります。津波警報や大津波警報が発表されたら即避難というのを心がけたいと思います。

「液状化」車での避難は困難

3つめのリスクは「液状化現象」です。液状化現象という言葉は聞いたことはありますが、どういうものかよく分かっていないというのが実情だと思います。「液状化現象」とは地震の強い揺れで地盤が揺さぶられることで、砂の粒子がバラバラになり、地盤が泥水のようになる現象です。今回の能登半島地震では、広範囲で液状化現象が起こり、建物が傾くなど大きな被害が出ました。

液状化によって道路が陥没や隆起した様子

液状化が発生すると、避難に大きな影響が出ることが予想されます。道路の陥没や隆起などによって、避難経路が通れなくなることが考えられます。南海トラフ巨大地震に伴い、宮崎県内でも広く発生すると想定されています。下の地図は赤く塗られた部分が液状化の発生の可能性が高いとされる部分です。宮崎市をはじめ、沿岸部を中心に、そのエリアが大きく広がっていることが分かります。

液状化の発生の可能性が高いとされる部分(赤い部分)

続いて紹介するのは宮崎大学の専門家がシミュレーションした地図です。
赤く示されたところが、宮崎市で液状化が発生した際、迅速な避難が難しくなる恐れのある道路です。宮崎港の西側の住宅地や、大淀川の河口周辺を中心に広い範囲に影響が出てることが示されています。車の通行だけでなく、歩いて避難することにも大きな影響が出ると思います。

どう備えるか?

これまで、地震発生にともなう様々なリスクを改めて知ることができましたが、京都大学防災研究所の山下裕亮さんは、いちばん大切な備えは「早い避難」と「避難の選択肢を広げること」だといいます。

「早い避難」は犠牲者の数を大幅に減らすことが出来ると県が試算を出しています。早く逃げるためには、まず自分の身の安全が確保されているのが大前提で、家具の下敷きにならないように、倒壊によるダメージを減らすことが必要です。

次は「避難の選択肢を広げること」です。地震が起きた後は、いつもと町の様子が大きく変わっているかもしれません。思わぬ事態に遭遇してパニックにならないためにも、避難経路や避難場所の選択肢を複数持っておきましょう。

山下裕亮さん(京都大学防災研究所)

宮崎県内はどこに住んでいても地震のリスクはあります。いま能登で起こっていること、これを自分にあてはめていただいて「どう備えるのか?」これを機会にぜひ考えていただきたいと思います。そして、今日からでもそれを行動にうつしていただいたきたいと思います。

  • 柳原 章人

    宮崎コンテンツセンター

    柳原 章人

    前任地は上海支局。日本語(関西弁)、英語、中国語の3か国語を話せます。

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