東九州自動車道開通で変わる 観光地「日南」の地域経済

待ちわびた東九州道の開通

３月の開通式。沿道は待ちわびた市民であふれました。

新たに開通したのは宮崎市の清武南インターと日南市の日南北郷インターを結ぶ１７.８キロ。

１時間以上かかっていた市の中心部どうし移動がおよそ４０分に短縮されました。

東九州道開通による恩恵

目の前で水揚げされる鮮度抜群の魚が売りのレストランは、東九州道の開通以降、大盛況。毎月の利用客は去年より２割アップしました。

インターチェンジに近い日南の観光エリアも恩恵を受けています。

旧飫肥藩の資料館をはじめ、このエリアの施設では５月と６月の入館者は去年の１.３倍近くに増えました。

高速道路開通により交通量が減少する地域も

同じ日南市でもかつての主要ルートだった県道沿いの店は、大きな打撃を受けました。

地元でとれた米や、お茶。そして、つぶあんが評判の名物「草だんご」。高速道路の開通前、店には多くの客が訪れていました。

しかし、目の前の県道を通る車は７割以上も減少。月の売り上げは開通前の半分以下になりました。

地元の常連客は、

店の人はこのように話していました。

待ってても客は来ない　受け身の経営から攻めの経営に

待っていても客はこない。７月から、これまで店内だけで売っていた主力商品の出張販売を始めました。

片道４０分かけて、やってきたのは宮崎市内の商業施設。

出店は週３回ですが人気は上々。減った売り上げの８割を補い、手応えを感じています。

ピンチを成長のチャンスにと今後、さらなる販路拡大も考えています。

宮崎市内で始めた出張販売は好調で、毎回、草だんごなど４００個が完売するそうです。

今年中には、さらに別の２か所で出張販売を始める計画だということでした。

開通で影響を受けた地域では、こうした巻き返しを図る動きがほかにも出てきていて、そうした店の今後の展開や成長にも注目してきたいと思います。