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牧野富太郎 全身全霊をかけたホンモノの図版に宮崎で出会う

宮崎県日南市 服部植物研究所
  • 2023年08月14日

朝ドラ「らんまん」。主人公の万太郎は石版印刷の技術を修行し、図版の製作に情熱を注いでいます。万太郎のモデル牧野富太郎博士が残した明治時代の「大日本植物志」や後年の「牧野植物図鑑」の初版本を手に取ってみることが出来る研究所が宮崎県日南市にあります。世界でも類をみないといわれる苔を専門にした服部植物研究所です。そのコレクションをご紹介します。

明治44年 大日本植物志

世界的な苔の研究機関・服部植物研究所。(詳しくはこちらの記事をご覧ください)

その書庫に貴重な「大日本植物志」は収蔵されていました。牧野富太郎博士(1862~1957)が編集した書物で、新聞のタブロイド判ほどの大きなものです。1900年(明治33年)に第1集が刊行されました。

第1集の最初のページを飾っているのは「やまざくら」です。 ページを開くと、そこには今もみずみずしい図版が残されていました。

1本1本の線は繊細で、まるで花束ように、いきいきと描かれています。 
図の左下をよくご覧ください。T.Makinoのネーム。すなわち牧野富太郎自身が描いたことがわかります。

こうした図版は、すべて石版印刷で刷られています。 奥付には、東京築地活版製造所の表記。 

描写力だけでなく、当時の印刷技術の高さにも驚かされます。

専門家「全身全霊をかけた作品」

牧野富太郎の研究をしている、東京練馬区の牧野記念庭園の田中純子学芸員に話を聞きました。

田中さんは「植物の全体像だけでなく、一枝一枝、花、実、種と、細かく描かれていて、素晴らしいとしかいいようがないです。本当に全身全霊をかけて、植物を記録していった息づかいが聞こえてきそうです」と話します。

図説に目が行きがちですが、ぎっちりと書き込まれた解説からも牧野博士の植物愛を感じることが出来ます。
田中さんが植物志の逸話を紹介してくれました。それがカラーで描かれていた「ほていらん」。

 ほていらんは、牧野博士が若いころに絵に描いて以来、再び出会うことができず、その後周囲に情報提供を呼び掛けて明治40年になってようやく周りの人に呼び掛けて見つかった思い入れの深い植物だということです。

牧野日本植物図鑑は今も現役

ほかにも、研究所には有名な「牧野日本植物図鑑」の初版本が残されていました。

広報の南寿早苗(なす・さなえ)さんは「この図鑑はいまも現役で、私たちはいつも使っています」と話します。

こうした貴重な文献が残る服部植物研究所は、牧野のおよそ50年下で、東京帝国大学理学部の後輩にあたる植物学者の服部新佐(はっとり・しんすけ)博士が昭和21年に創設したコケ植物(蘚苔類)を専門とした民間研究機関です。牧野富太郎に名前がささげられたマキノゴケが展示されているほか、独特な方法で保管されているコケの標本も見学できます。

 詳しくはこちらの記事をご覧ください 

子どもたちの来館も多く、コケに親しめるテラリウム作りや、コケのスタンプを使ったデザイン作りなども楽しむことが出来ます。

服部植物研究所
開館時間  10:00 ~ 16:00 ※8月10日のコケの日の前後には例年催しが開かれています。
休館日   年末年始 お盆期間
入館料   無料
問い合わせ 0987-25-0110

交通:JR日南線飫肥駅から徒歩10分。車の場合、東九州自動車道日南東郷インターチェンジから約15分。

  • 土橋大記

    宮崎放送局コンテンツセンター アナウンサー

    土橋大記

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