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母の日 巨人移籍の松田宣浩選手 宮崎のかあちゃん"熱男の素顔"

  • 2023年05月12日

ソフトバンクから巨人に移籍した松田宣浩選手を支える女将を特集。
キャンプ地・宮崎で松田選手が「宮崎のかあちゃん」と慕う女性です。
『熱男はああ見えて、すごい人見知りなんです』女将が語る「熱い男」の素顔とは?

キャンプ地・宮崎のかあちゃん

宮崎市で人気のうどん店を切り盛りする猪野由美さん。
“熱男”は松田選手の愛称であり、ホームランを打ったあとのおなじみの決めゼリフでもあります。ベンチで誰より声を出して、仲間を鼓舞する元気印。愛称通りの「熱い男」が多くの人が抱く松田選手のイメージでしょう。

由美さんが松田選手と出会って15年。私たちの知らない熱男の素顔を少しだけ教えてくれました。
当時、松田選手は入団3年目、キャンプ中に宮崎出身のチームメートに連れられて初めてこの店のうどんを食べたそうです。当時の由美さんは野球にはほとんど興味なし。宮崎出身の選手がいたのでサインをお願いしたら体が大きな別の1人もペンをとりました。それが松田選手です。

猪野由美さん

彼が選手かどうかも分かってなかったんです。サインを書き始めたので「あ、この人も野球選手なんだ」と思いました。

松田選手にとってはレギュラー獲得を目指した勝負の年。しかし、由美さんには関心のないことでした。

恩師の命令

それからも松田選手はちょくちょくお店に顔を出すようになりました。

猪野由美さん

いつも1人で来て、カウンターに座って、静かに食べて静かに帰るんです。明るいキャラクラーで売ってるけど全然、話さないんですよ。こっちも「また来てくれたんやね、ありがとうね」って言うくらいでした。

通い始めてから2年ほどがたったある日。松田選手は恩師の生田勉さんと店にやってきました。
生田さんは亜細亜大学の野球部の監督で、松田選手が4年生のころはキャプテンと指揮官という間柄でした。そんな生田さんがうどんを運んできた由美さんに「ソフトバンクのキャンプは見にいかれますか」と聞きました。「行ったことないです」由美さんが答えると、話の矛先は松田選手へ。

お世話になってるんだからキャンプに招待するパスくらい出さんか。今すぐ、連絡先を交換しろ
まさに、鶴の一声でした。

近すぎず、遠すぎず

キャンプ地の人気店には松田選手以外にも選手やOBが大勢やってきます。

ただ、由美さんはサインや写真をお願いすることはあってもプライベートに深入りしたことがありませんでした。連絡先は交換したものの、夫と一緒に松田選手と最初に食事に出かけたのもそれから1年たってのこと。そんな距離感が松田選手には心地よかったといいます。

松田宣浩選手

知り合いになるとグイグイ応援したくなるという方もいると思うんですけど、自分の考えとか体調を考慮して接してくれて。近すぎず遠すぎず、ちょうどよくて、とても優しい人だと思います。

宮崎でキャンプを張る1か月、選手は家族と離れて野球漬けの毎日を送ります。
困ったことがあったら連絡してね
そう声をかけてくれていた由美さん夫婦との距離は次第に縮まっていきました。

不器用なりの親孝行

店には松田が試合で使った野球道具が数え切れないほど保管されています。バットにグラブ、スパイク、ユニフォーム、ヘルメット…。

猪野由美さん

『あげます』っていう感じでもらったことはないですね。ご飯に行くときにポンと渡してきたり、そんな感じです。不器用だけど一生懸命で、私たちを慕ってくれています。スター選手の松田宣浩として意識したことはあんまりなくて、本当に息子みたいです。

面と向かって感謝のことばを伝えられたことはありません。ことあるごとに愛用した道具を渡すことが松田選手なりの感謝の伝え方なのでしょう。不器用な息子はグラウンドでもしっかり親孝行してきました。ソフトバンクでの17年間で積みあげたホームラン301本。「熱男~!」のひと言で、スタンドがひとつになる光景に宮崎の母の胸は何度も震えたといいます。

ソフトバンクの退団と再出発

去年9月28日。ソフトバンクから松田選手の退団が発表されました。長年、チームを支えてきたミスターホークスも39歳。昨シーズンの1軍出場はプロになって最少の43試合。ホームランは1本もありませんでした。

巨人への移籍が決まると松田選手は宮崎の母にいたずらっぽく報告しました。
由美さんの嫌いなジャイアンツやで
由美さんにとって、松田選手は息子同然、球団は関係ありませんでした。巨人での初ヒットが出るとうれしくて、すぐにメールをすると、短く返事がきました。
ジャイアンツ初ヒット。俺らしいヒット」 
サードへのボテボテの当たりを全力疾走でもぎ取った内野安打でした。

由美さんに取材していることを松田選手に伝えると、こう言いました。

松田宣浩選手

宮崎の地から応援してもらっているのはめちゃめちゃ感じています。巨人のユニフォームを着てヒットでも、ホームランでもいい、かっこいい1本を打つ。それだけです。

東京ドームに響く次の「熱男」コールは宮崎の母にとって何よりの贈り物になることでしょう。

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