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柔道 全日本選手権2023 王子谷剛志が優勝 宮崎の延岡が拠点

  • 2023年05月01日

体重無差別で日本一を決める柔道の全日本選手権が行われ、30歳の王子谷剛志選手が4回目の優勝を果たしました。
宮崎県延岡市で活動する強豪・旭化成柔道部のキャプテンは何を思い、大会に臨んだのか?
「正直、僕は終わった選手だと思っていた」と語る柔道家の逆転劇とは?

王子谷剛志選手が4度目の日本一

柔道男子の日本一を決める全日本選手権は4月29日、東京・千代田区の日本武道館で開催され、各地区の予選を勝ち抜いた選手たちが体重無差別で、トーナメント方式で争いました。

このうち、全日本選手権で3回の優勝を誇る30歳の王子谷選手は、初戦の2回戦から抑え込みや投げ技を交えて着実に勝ち上がると、決勝では高校・大学の先輩で同じ所属先でもある32歳の羽賀龍之介選手と対戦しました。

王子谷選手は、前に圧力をかけて先に攻める姿勢を貫き、背負い投げや内股など、さまざまな技を仕掛けると、延長に入っておよそ5分、羽賀選手に3つ目の指導が出て反則負けとなり、王子谷選手が6年ぶり4回目の日本一となりました。

日本選手権ってどんな大会?

体重無差別で男子柔道の日本一を決める「全日本選手権」。1948年に始まった柔道界で由緒のある大会です。

柔道界では三冠と呼ばれる大会があります。「オリンピック」「世界選手権」そして「全日本選手権」です。全日本選手権は、それだけ柔道界で重要視されてきた大会です。この三冠を達成したのは、過去に8人のみ。全日本柔道連盟の山下泰裕会長をはじめ、斉藤仁さん、井上康生さん、そして、現在男子の代表監督を務める鈴木桂治監督。柔道界を引っ張ってきたそうそうたる選手たちが名を連ねています。

さらに、ほかの大会とは違った緊張感もあります。通常、大きな大会になれば、複数の試合場で並行して試合が展開されますが、全日本選手権は1つの畳だけで試合が行われます。対戦する2人にのみ、すべての視線が注がれるのです。

インタビューで答えた
「正直、僕は終わった選手だと思っていた」

王子谷選手は優勝を決めた後のインタビューで「正直、僕は終わった選手だと思っていた。いろいろな人に支えられて、もう1回ここに立てたことを本当に感謝している。勝ち切れたことは幸せだった。羽賀選手は憧れで、尊敬して戦っていたので感謝しかない」と涙ぐみながら話していました。

王子谷選手は「全日本柔道選手権大会(2014/2016/2017)」や「グランドスラム東京(2016)」「グランドスラム・パリ(2017)」など数多くの大会で優勝してきましたが、近年は優勝から遠ざかる日々が続いていました。本人にも引退の二文字がよぎったといいます。

そんななか「柔道と仕事を両立することで、自分の視野を広げたい」と関東から、宮崎県延岡への異動を決意します。そして、このタイミングで妻の衣織さんとも結婚しました。

王子谷 剛志選手

妻がいなければ、自分は関東で引退していたと思います。関東からついてきてくれたことにも感謝しています。

関東にいた当時は、より競技に比重を置いており、母校の大学で猛練習に励み、所属する会社に出勤することも今より少ない状況でした。そのため、競技成績を残すことを強く意識しており、また頑固な性格から人の意見を取り入れられず、なかなか勝つことが出来なかったと話します。

6年振りの復活優勝

王子谷選手が優勝後のインタビューで答えた全文はこちらから
https://www.nhk.or.jp/miyazaki/lreport/article/004/84/

そして、宮崎県延岡市で活動する様子はこちらから確認できます。周りの人のサポートでモチベーションを高く保ち、充実した日々を送っている王子谷選手の様子です。
https://www.nhk.or.jp/miyazaki/lreport/article/003/96/

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