給料は上がる?賃上げの春 中小企業が多い宮崎ではどこまで?
- 2023年03月17日
大手企業を中心に賃上げムードが広がる今年の春ですが、中小企業のなかには賃上げに慎重な姿勢を示す企業もあります。
中小企業が多い宮崎の賃金はどうなるのか?物価高が続くなか、その行方を深掘りしました。
中小企業の賃上げは?
春闘は大手企業を中心に満額回答が相次ぎ、賃上げの勢いが出ていますが、中小企業が多い宮崎では、4月にかけて労使交渉が本格化する予定です。
大手企業と比べて交渉が1カ月遅れる理由は、大企業の結果を受けて、その相場観をみながら交渉を始めるところが多いためですが、県内でも賃上げに前向きな声はでています。
県中小企業家同友会が会員企業を中心に去年の冬に行った調査の結果がこちらです。152社が回答しました。
その結果、39%の企業が賃上げを実施する予定と回答しました。このほか検討中と答えた企業が37%、据え置きが14%などとなっています。
県内の中小企業からは?
物価高のなか、企業としても賃上げをしないと人材の確保が難しくなっています。いち早く賃上げを決めた県内の建設会社からもこんな声も聞こえてきます。
(賃上げを行わないと)日本の経済自体が回っていかないので、中小企業といっても避けては通れないと思っています。人材確保という点において、かなり大手にハンデをつけられているというのを考えると、中小企業も努力を積み重ねるしかないのではと思います。
賃上げの幅は?
全国の大手では5%を超えるところもありますが、宮崎の現状は、大手の水準には届かないところが多いです。こちらは先ほどの質問で「賃金を上げる」と回答した企業に賃上げ率を聞いたものです。
2~3%が最も多く44%を占めています。5%を超えるところは12%となっています。
賃上げの必要性は理解しつつも、大幅な賃上げに踏み切ることには慎重な企業が多くなっています。
いま年々、人が採れない状況になっているので、そういうことも含めて(賃金を)上げざるをえないと思っています。ウクライナ情勢があって物価が高騰、新型コロナのマスクも自己判断ですとなっていますが、ウイルス自体の感染力が変わったわけではないので、景気の先行きがこのまま本当に上がっていくのだろうかという不安もあると思います。
物価の高騰・実質賃金は?
ただ、今年1月の消費者物価指数をみると、前年からの物価上昇率は4%を超えています。
この4%を上回る賃上げがなければ、たとえ賃上げされたとしても『実質賃金』は下がってしまうことにもなりかねません。
全国的な賃上げの勢いが、宮崎の企業にどこまで広がるのか、注目していきたいと思います。