卵の高値はいつまで?過去最高更新・宮崎でも家計への負担増
- 2023年03月08日
2月の卵の卸売価格は、統計を公表している1993年以降で最も高い327円/kgとなりました。
54軒の養鶏農家が採卵用のニワトリおよそ277万羽を飼育する卵の生産県・宮崎の生産者からは「卵離れ」を危惧する声もあがっています。
卵価格 過去最高値を更新
卵の卸売価格の目安となる「JA全農たまご」の東京地区でのMサイズ1キロあたりの今月の平均価格は327円と、去年の同じ月と比べて152円、率にして86%値上がりしました。
宮崎県内の卵の価格に大きく影響する福岡地区の平均価格は、東京地区を10円上回る337円に達しています。
農林水産省によりますと、ロシアによるウクライナ侵攻でとうもろこしなどの飼料価格が高騰していることや年明け以降も鳥インフルエンザの感染拡大が続き、供給量が減少していることなどが高値につながっているということです。
宮崎の生産業者は?
宮崎県は54軒の養鶏農家が採卵用のニワトリおよそ277万羽を飼育する卵の生産県です。
都城市に本社を置く、九州でも最大規模の卵の生産業者によりますと、ここ2年ほど、エサ代の高騰を販売価格に転嫁できず、赤字の時期が続いていたということです。
過去何年かのたまった赤字をなんとか解消することができ、運転資金の心配もしなくていいので(価格の上昇で)一息つけたという感じです。ただ、消費者が「卵離れ」を起こすのではないかという不安はあります。
生産量がもとに戻った時に、卵が余ってしまって、せっかく上がった相場が急落してしまうのが心配です。
価格維持へ 小売店の努力や工夫
卵の高騰が続く中、宮崎県高千穂町のスーパーではあえて赤字覚悟の低価格で卵を提供し、差別化を図ろうとしています。
高千穂町のスーパーでは毎週火曜日が卵の特売日です。1パック10個入りの価格は98円。
単体では赤字ですが、この価格で卵を購入できるのを店の商品を1500円以上購入した人に限ることで、卵を目当てに訪れた客に多くの買い物をしてもらう戦略です。
買い物客の70代の女性は「卵の特売を目当てに来ました。ほかの商品を多く買ってでも卵を安く買えたらと思います」と話していました。また別の男性は「卵が大好きで毎日食べています。もともと安かったので、今がむしろ普通なのかもしれないとも思います」と話していました。
この店では仕入れ価格の上昇に伴い、今月中旬に1パックの販売価格を174円から214円へと一挙に40円値上げしたばかりです。1家族1パックまでと制限を設けてなんとか特売を続けているということです。
卵の値上がりが家計に与えるダメージは大きいと思います。食卓に欠かせない食材なので少しでも手ごろな値段で提供できるよう努力したいです。