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NHK宮崎 温泉 日帰り旅 滑川和男アナウンサーが西都市を観光

  • 2022年12月09日

森の中の静かな温泉宿

温泉大好きアナウンサーのNHK宮崎・滑川和男です。11月にお送りした温泉紀行・えびの市編は大変多くの方にお読みいただきました。ありがとうございました。今回は西都市の森の中の静かな温泉宿を訪ねます。幹線道路から細い道に入ります。看板などはないので、地元以外の方はナビゲーションを頼りに行かれるといいかも知れません。道路がやや狭く離合が大変なところもありますので、スピードは控えめに安全運転でお願いします。

こちらが今回お邪魔した西都市鹿野田にある温泉宿です。日帰り入浴も出来ます。道路を挟んで温泉の建物の反対側に宿の受付がありますので、料金を払って入浴します。師走に入ってすぐの週末に訪れました。最後の紅葉が残っていて、その淋しげな葉っぱが温泉で温まりたい気分にさせてくれます。

コンパクトな浴場ですが、清潔で気持ち良くお風呂に入ることが出来ます。鍵が掛かるロッカーもあります。

湯船は5~6人が入れるぐらいの大きさでしょうか。泉質は「含ヨウ素ナトリウム塩化物冷鉱泉」。浴用の適応症は神経痛・関節痛・慢性消化器病・慢性皮膚病などです。冷泉を加熱して提供されています。師走に入って真冬のような気温になりましたので、浴室が湯煙に包まれます。お湯の温度もちょうど良く、ゆっくりじっくり入っていたくなります。優しい、包み込むようなお湯です。コロナで手指をたびたび消毒するため指先が荒れがちでしたが、入浴後はスベスベしました。

こちらの冷泉、飲用も出来るそうです。適応症は慢性の消化器病や便秘ということで、汲んで帰るお客さんもいるのだとか。

経営者ご夫婦はシーガイアOB・OG

経営者の船橋(ふなはし)賢一さん、妃美(きみ)さん、ご夫婦です。滑川とほぼ同世代。お二人はシーガイアで働いていたOB・OG同士なんだそうです。この温泉宿の経営を引き継いでいた叔父さんが亡くなったため、賢一さんがシーガイアを辞めて後継ぎになったそうです。妃美さんもサービス業には慣れていたということで、二人三脚で温泉を盛り立ててきました。

温泉自体は、賢一さんの曾祖父が昭和10年に始めたもの。シベリア抑留から帰ってきた人が身体を癒すため、湯治で滞在したこともあったそうです。お金がない場合は米で払ったり、ここで働きながら湯治をしていたケースもあったのだとか。『なんとかこの温泉で身体を治したい』そんな切実な願いがあったのかも知れませんね。

こちらの温泉宿ではスポーツや部活の合宿客も受け入れていました。しかしコロナ禍でそうした集団での活動や遠征が縮小されてしまい営業に大きな影響を受けたそうです。明るく笑うお二人ですが、ここ2~3年の苦労は大変なものがあったと思います。そんなお二人に、これからの抱負を聞きました。中学3年生のひとり息子が、宮崎が大好き!西都が大好き!で『温泉宿を何としても継ぐ』と、言っているのだとか。それは頼もしいですね。息子さんにいい形で渡すためにも、お二人は『元気で長く頑張りたい』と話していました。

近くに伊東マンショ生誕の地も

温泉のすぐ近くに都於郡(とのこおり)城跡があります。南北朝期から戦国期にかけて、この地域に大きな勢力を持っていた伊東氏の本拠地として栄えた城跡です。散策路やベンチ、トイレなども整備されていて、気軽に訪れることができます。

この都於郡城で生まれたのが、1582年、天正遣欧少年使節としてヨーロッパに渡った伊東マンショです。城跡に伊東マンショの像があります。

像の下の碑に駐日イタリア大使の言葉が刻まれています。『世界への扉を勇敢にも開いた、伊東マンショの精神は、新たな千年紀において、九州とイタリアの若者たちの指針となるであろう』。いまから400年以上も前にヨーロッパに渡った伊東マンショ。その勇気に思いを馳せました。

  • 滑川 和男

    宮崎局・アナウンサー

    滑川 和男

    宮崎は新人以来2回目勤務

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