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"航空大学校"の学生に取材「舞いあがれ!」単独飛行までの実話

  • 2022年12月01日

ドラマの世界で帯広でのフライト課程に臨んでいる舞ちゃんや柏木たち。
NHK宮崎では「舞いあがれ!」航空学校編のモデルになった“航空大学校”の学生に初フライトやプリソロチェックなど単独飛行までの苦労を取材しました。
舞ちゃんや柏木たちと同じ道を歩んだ学生の実話をお伝えします。

福原遥さん演じる岩倉舞

念願の帯広での初フライト

取材をさせてもらったのは、林直希さん(第67回生Ⅱ期)。「航空大学校」でもドラマと同じように、同期3人でチームを組んでフライトを行います。

フライト準備をする林直希さん(一番左)
林学生

初フライトは楽しもうという余裕がなくって、不安や緊張が大きかったですね。
プロシージャー(※)の抜けがないか、街の名前や地形・川の名前を覚えたり、それを初フライトでどう活かせるかを考えてました。
※プロシージャー…飛行機の操縦席に乗り込んでから降りるまでを安全に行うための手順。パイロットはこれを声に出しながらチェックしていきます。

初フライトは2番目に操縦することになったという林さん。フライトでは右にいったり、左にいったり、基本的な操作を体験して、着陸も初フライトの日に体験できたそうです。ちなみに訓練中は、地上に降りる時間がもったいないため、他の訓練生と空中で操縦席を交代するそうです。

林学生

初めての着陸は全然できてなかったと思います。教官が操縦かんを横で操作してくださって、降ろしてもらったんですけど、着陸したときは「着いたー」と思いましたね。笑
だけど、普段見ることができない角度から滑走路を見ることができて、今でもその景色は覚えています。
初フライトが終わったあとは安心感ですね。ホッとしました。

ファーストソロ(単独飛行)にむけて
プリソロチェック

学生が自分だけで操縦をするファーストソロ(単独飛行)の前には、プリソロチェックという難関があり、自分の担当教官とは違う教官が、ファーストソロが本当にできるか審査をします。
「舞いあがれ!」のなかでも、与えられた時間内に技術を習得できず、プリソロチェックを突破できないとフェイル、つまり、退学となってしまうと紹介されていましたね。
林学生も、主人公の舞ちゃんと同じで着陸が苦手だったようです。

吉川晃司さん演じる大河内教官
林学生

着陸の訓練で、地上でできることはイメージフライトなので、この時はこういう動作をして、どこでどれくらい操作したりっていう操縦感覚を同期に聞いたり、上手い人の話を聞くと少しだけできるようになります。
教官の話も聞いて、滑走路の見え方を覚えて、それをやってみて…、本当に一気に上手くなる瞬間は無くて、一歩ずつ成長していく感じでした。

ドラマでは鬼教官と恐れられる吉川晃司さん演じる大河内教官が、舞ちゃんや柏木・水島を指導していますが、林学生の教官についても聞いてみました。

林学生

私の教官は「大したことないでしょ」って言ってデモを見せてくれるタイプでした。
自分は怖がって訓練に臨んでいたタイプだったので、そういう楽な気持ちで訓練に臨めるようにしていただいたのは本当にありがたかったです。
でも、教官がやっているのを見て「自分も」ってなって失敗するんですけど…笑。

林学生に限らずですが訓練生はフライト中に、忙しいフェーズに入ると慌ててしまうそうですが、上空ではどうしても意識的に「頭を動かせ」とするしかないそうです。
その頭を動かすということを、力強く意識させてくれたのも帯広の教官だったと話していました。

タイムプレッシャーとの戦いとファーストソロ

今日の放送で紹介されたスランプに陥った柏木が体育館でやっていたイメージフライトにも意味があるそうです。

目黒蓮さん演じる柏木学生のイメージフライトの様子
林学生

体育館のイメージフライトは私は凄いやっていたので「こういうこと。こういうこと」って思いながら撮影を見ていました。

地上でできていることが、空にいくとできなくなる。それは上に行くと時間管理がとても大事になってくるからだといいます。体育館で歩きながら、あの壁に着くまでにこの作業をやるとか、時間の感覚をタイムプレッシャーとして感じながら、やるっていうのがとても大事だそうです。

こうした特訓をへて、林学生がやっとできた単独飛行。

林学生

苦しかった後にようやくできて、タワー(管制官)の方からも「おめでとうございます!」って言われたり、同期全員が祝ってくれたりで、初フライトも感動的だったんですけど、自分的にはファーストソロがとても印象深いです。

林学生が目指すパイロット像

林学生がパイロットを目指すきっかけは、「飛行機って格好いいな」という思いや、「飛行機に乗ってどこかにいくのが楽しいな」という思いだったそうです。

林学生

一人前のパイロットは操縦技術であったり、お客様のことを考えたり、いろいろあると思うんですけど、周りから慕われるパイロットが良いパイロットなのかなと思います。

いまは宮崎でフライト課程を学んでいる林学生。帯広でのフライト環境に比べて、航空交通量が多い空域を飛行することとなり、気象条件もこれまでより厳しい条件下での飛行となります。これが終われば2年にわたる航空大学校の締めくくりとなる仙台フライト課程へ進みます。

パイロットへの道のりはまだまだ険しいですが、林学生も、舞ちゃんも柏木さんも水島さんも倫子さんも中澤さんも吉田さんも、みんながんばれー🌸

航空大学校・宮崎本校の校舎
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