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読書の秋!宮崎本大賞とは?ノミネート5作品を一挙にご紹介

  • 2022年11月10日

宮崎の書店員などがお薦めする「宮崎本大賞」。最終選考に残った5作品を1作品ずつご紹介します。
3月8日(みやの日)に発表される大賞はどの作品か?皆さんもお気に入りの一冊を見つけてみてはいかがですか?

宮崎本大賞とは?

「宮崎本大賞」は、活字離れなどで書店が減少するなか、本に親しんでもらいたいという宮崎の書店員や図書館司書など本に携わる方が企画して2020年に始まりました。今回で4回目の開催となります。県民にオススメしたい本を投票で決めるコンテストです。

前回の第3回のときは、小野寺史宜さんの「ひと」が大賞を受賞しました。同書は、突如孤独となった青年が都会で出会った人々との関わりの中で、自分を見つめ力強く歩んでいく物語です。書店員などからは「ひと」というシンプルなタイトルが、読者の想像力をかき立てる、コロナ禍で希薄となっている「人との交流の尊さ」を感じてもらえるのではないかといった評価を受けました。

今年は5作品がノミネート

今年の大賞はどの作品が受賞するのか?発表までまだ時間がありますが、今回のノミネート作品5冊を1冊ずつご紹介していきます。

①『お父さんはユーチューバー』 浜口倫太郎
②『うつくしが丘の不幸の家』 町田そのこ
③『三千円の使いかた』 原田ひ香
④『むらさきのスカートの女』 今村夏子
⑤『わたしの美しい庭』 凪良ゆう

「お父さんはユーチューバー」浜口倫太郎

舞台は沖縄県の宮古島。島のゲストハウス「ゆいまーる」のひとり娘の海香は絵を描くことが大好きな小学5年生。将来は東京の美術大学に入りたいと思っていた。そんなある日、「俺はユーチューバーになる!」とお調子者の父が宣言した。しかしその宣言の裏には感動の事実が・・・。宮古島の自然とゲストハウスに集う人々を通じて描く涙なしでは読めない家族小説です。

ノミネート理由について、この本に投票した方からはこんな感想がありました。
・YouTuberの人気が高い近年、身近でありそうでおもしろい。
・舞台が宮古島ということで、本を読みながら美しい南国の情景が浮かび、心地良い。
・綺麗な海を彷彿させる描写が宮崎の海と重なり、ぜひ宮崎の方に読んで欲しいと思った。など

「うつくしが丘の不幸の家」町田そのこ

連作短編集。物語の舞台は海を見下ろす住宅地に建つ3階建ての一軒家。実はこの家近所の人から“不幸の家”と呼ばれています。自分が不幸かどうかを決めるのは家でも他人でもない。“不幸の家”と呼ばれる家で、自らの幸せについて考えることになった家族の物語です。

ノミネート理由について、この本に投票した方からはこんな感想がありました。
・5つの短編集で読みやすい
・読後がさわやか
・タイトルから受ける印象とは違って心温まる物語に感動した など

「三千円の使いかた」原田ひ香

三千円の使いかた次第で人生は変わる⁉物語の中心は一つの家族。ひとり暮らしをはじめた美帆と結婚前は証券会社に勤めていた姉・真帆。習い事に熱心な母・智子。そして、一千万円を貯めた祖母・琴子。家族だけど性格が異なる4人は、人生の節目とピンチを乗り越えるためにお金をどう貯めて、どう使うのか?家族小説のなかでお金の知識が学べる一冊となっています。

ノミネート理由について、この本に投票した方からはこんな感想がありました。
・子どもから大人まで読めて勉強になり、家族のつながりも深まりそうな一冊
・自分だったら三千円をどう使うかと、作品にのめり込むことができた
・現在の物価高の情勢をみると今読んでほしい!と思った など

「むらさきのスカートの女」今村夏子

近所に住む、むらさきのスカートの女と呼ばれる女性が気になって仕方がない<わたし>は彼女と友達になるために自分と同じ職場で彼女が働きだすように誘導します。<わたし>が望むものとは一体何なのか?一種のブラックコメディでありながら、悲しみをたたえている物語です。ホラーでもミステリーでもないのにゾクっとする一冊。

ノミネート理由について、この本に投票した方からはこんな感想がありました。
・「むらさきのスカートの女」に執着する<わたし>の行動が常軌を逸しており怖いもの見たさで引き込まれた
・「むらさきのスカートの女」がリアル
・ページをめくる手が止まらない  など

「わたしの美しい庭」凪良ゆう

物語の舞台はあるマンションの屋上にある神社。その名も「縁切り神社」。このマンションに住む小学生の百音(もね)、百音と暮らす血のつながりのない父・統理(とうり)、隣人で同性愛者の路有(ろう)の3人は家族のようなつながりで結ばれています。しかし、周りからは「なさぬ仲」とうわさ話をされます。それに臆せず生きる3人と神社を訪れる人々が互いに関わりながら成長していく物語です。自分らしく生きたいと願う人たちに勇気をくれる優しさにあふれた一冊となっています。

ノミネート理由について、この本に投票した方からはこんな感想がありました。
・「普通」とは何かを考えさせられた
・それぞれの人の考え方や生き方を認めて生きていこうとする姿に共感し、勇気をもらった
・生きづらさを抱えている人を救っていく内容が今の時代に合っていると感じた など

以上、宮崎の多くの本好きが宮崎の人におススメする1冊「宮崎本大賞」にノミネートされた5冊を紹介しました。皆さんも大賞作品を予想してみてはいかがでしょうか?

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