宮崎 秋の日帰り温泉 紀行 えびので家族風呂に入った滑川アナ

温泉大好きアナウンサーのNHK宮崎・滑川和男です。これまで北海道から九州まで全国各地で勤務する中で、様々な温泉に入ってきました。宮崎にも、いい温泉が沢山あるんですよ。今回は日帰りで入れる立ち寄り湯を探して稲刈りシーズンのえびの市を旅してきました。今回はその前編。田の神さぁにも出会いましたよ。
※『田の神さぁ』豊作を祈願して田んぼに祀られる石像

家族風呂は動物の湯！？

今回立ち寄ったのは、えびの市岡松にあるこちらの温泉。家族風呂に動物の名前がついています。ゾウやペリカンにアヒル…。ちなみに私はコアラの湯に入りました。入浴中を示すドアノブに掛ける札が「コアラ入浴中」（笑）なぜ家族風呂に動物の名前を付けたのか経営しているご主人に聞いたら、子どもが喜ぶからだそうです。私もコアラになった気分で入浴しました。

お湯の量が豊富でとても柔らかく、さらりとしたお湯でした。他のお客さんに迷惑にならないように家族風呂に入りましたが、とてもゆったり入ることが出来ました。石鹸やシャンプーは持参していくといいと思います。

地元で愛される温泉

稲刈りシーズンも終盤ということで、地元の農家は忙しいのか、他にお客さんがいない時間帯もあったので、大浴場も見せてもらいました。銭湯よりもさらにシンプルな作りの大浴場。窓から差し込む秋の日差しが、お湯に反射して天井でゆらゆら揺らめいていました。こうした空間でのんびり過ごす時間がとても贅沢だなと感じました。

経営者のご夫婦ともゆっくり楽しくお話しが出来ました。コロナの流行した時期は、少し温泉を閉めた時期もあったそうで、現在はだんだんお客さんが戻ってきているそうです。

温泉の入り口に緑色の可愛らしい「田の神さぁ」が飾ってありました。これは、地元の中学生が学校の授業で制作して、温泉に贈られたものだそうです。その中学生が大人になり、結婚して子どもを連れて温泉に来て「これは自分が作った物だよ」と子どもに伝える微笑ましいシーンもあったとか。世代を超えて愛される温泉なんですね。

300年前！とても古い田の神さぁ

稲刈りが済んだ田んぼや、もうすぐ稲刈りを迎えそうな田んぼの中を歩いていると、実際の田の神さぁに出会いました。長い間、えびのの田んぼを見つめてきたという何とも言えないオーラが漂っています。それもそのはず。この田の神さぁは、えびの市内で2番目に古い像なのだとか。背面には今からおよそ300年前の刻銘が！とてもきれいに掃除され、お花も供えられていて、地元の方々に長年大切にされてきたということがよく分かりました。

今年の宮崎は台風14号の影響で農作物にも大きな被害が出ましたが、田の神さぁに見守られながら、おいしいお米が、これからも豊作でありますように。