追跡!宮崎・青パパイヤが関東で人気? 栄養&値段◎で脚光
- 2022年10月07日

「ミステリー×クッキング」
農家や地域のみなさんとNHK宮崎が力をあわせて、地元の農業を応援していこうというプロジェクトです。今回は、県外でも青パパイアの売れ行きが伸びているという情報を得て、土橋大記アナウンサーが、消費地の実態を調査しました。
売れ行き好調は本当か?
宮崎から飛行機と電車を乗り継ぎ約6時間。

やってきたのは西都市の青パパイアが販売されているという埼玉県上尾市の住宅地のスーパーです。

さっそく向かった野菜売り場。そこで目にしたのは・・・まさかの青パパイアが山積みされている光景でした。まるで宮崎の直売所のようです。このスーパーではシーズン中は、ほぼ常に品揃えしているということです。

このお客さんは、青パパイアを週1か10日に1回ぐらいは購入するという大ファン。以前は栽培農家を訪ねて購入していたといいます。この店で販売されるようになり手に入りやすくなったということです。


店員が明かす 好調な売れ行き
「青パパイア、売れ行き好調ですね」開口一番こう話すのは、スーパーの青果担当・中山知也さんです。かつては「ときどき仕入れる程度だった」のですが、最近マスコミで取り上げられることが増え、去年ごろからメインの野菜の1つとして販売しているとのこと。毎日約40個、休日には100個近くを並べますが、その日のうちに売り切れるほどの人気だそうです。

「価格も手ごろな野菜で売れています。食べ方を知っている方やファンの方は「パパ~っ」と持っていってくれる感じです。ゴーヤーのように、炒め物に加える “もう1品” に使っていただけたら嬉しいですね」
“もっと広めたい” 宮崎から届いた小箱
実はこの日、スーパーに野菜を卸す業者が店を訪れていました。手には小さな段ボールを抱えています。

「ぜひお店に置いてください」と中山さんに手渡したのは、新たな販促グッズ「青パパイアのレシピ集」でした。

これ、以前WEB特集でご紹介した西都市のJAが作ったあのレシピ集です。「食べ方がわからない」というお客さんの声に応えようと、地元の野菜ソムリエのみなさんらが考案しました。
掲載されている7つの調理法には「めざせ全国区!」という意気込みが込められています。
さっそく中山さんが売り場に並べていきます。

すると・・・次々とお客さんが手を伸ばしていきます。正直、予想以上の関心の高さに驚きました。
インタビューすると「きいたことあるけど珍しいなと思って、いま見てたの」とか、「いろいろなレシピがあるんですね」とか、好反応がかえってきました。
そして「宮崎産なんですね!1個買ってみます」「高いものじゃないから試してみようかしら」と、実際にかごの中に加える方が続出。早くも効果が現れているようです。


中山さんも「これまでは『どうやって食べるんですか?』って聞かれると、『炒めたり』とか簡単に説明していました。いまレシピをいただいたので、今後はこれを参考に説明させて頂きます」と嬉しそうです。

Q 青パパイアはこれから伸びる野菜だと思いますか?
A 伸びると思いますね。食べていただければどんどんリピーターは増えていくと思います。とどいた商品は責任をもってバンバン売っていきたいので、宮崎のみなさん、どうかよろしくおねがいします。
実は今回、東京周辺のほかの地区の小売店も回ってみました。すると、あるスーパーでは店員さんにパイナップルの売り場を案内されてしまったり、また事前に多く出回っていると聞いていた外国人が多い街も訪ねましたが「飲食店向けの業務用が多い」という話だったり、まだまだ青パパイアの認知度は高くない実態も垣間見えました。
レシピ集は、首都圏のほか、関西の小売店や西都市内のJAの直売所でも配布される予定だということです。産地宮崎の熱い思いは消費者に伝わるか?今後への期待が高まります。

台風被害の産地のみなさんへ 首都圏からのエール
ところで、西都市では青パパイアも台風14号の被害を受けました。

これはJA西都の方が畑で撮影した写真です。幹が傾いてしまったり、葉が落ちています。こうした木では、今後の収穫が見込めないということです。
そんな宮崎の農家に、レシピ集を届けていた、卸業者の方がメッセージを寄せてくださいました。

台風で作物も含めて被害が出ている中かと思いますが、消費地の我々にとっては、宮崎県産の青パパイアをはじめとした農産物の、皆さまからの出荷をお待ちしている状況です。来シーズンに向けても、長いおつきあいが出来たらと思っております。
「ミステリー×クッキング」は 次の展開へ!
「ミステリー×クッキング」では、春から、宮崎市や西都市、児湯郡などで栽培が始まっている青パパイアを取り上げてきました。
そもそものきっかけは「沖縄料理のイリチー(炒め物)やタイ料理のソムタムくらししか調理法がなく、なかなかブレイクしない」と悩みを抱えていた農家の方々の力になりたいと思ったことでした。

4月に放送した番組では、食文化の異なる北国青森のシェフや郷土料理研究家に、青パパイアの魅力を引き出す新たなレシピを開発してもらいました。

出来上がったレシピは宮崎に持ち帰り、地元の方々に披露。試食会は「こんな料理になるとは思っていなかった」「特徴が活かされている」と驚きにあふれました。

さらに、宮崎でも活動したいという声が出て、数々のアイデアも生まれました。県内の高校生や大学生による調理への挑戦、学食や学校給食でのメニュー化など、地元のみなさんとNHKがタッグを組んで取り組む様子を同時進行でをお届けしてきました。

そんな広がりを見せた「青パパイア編」はここで一区切り。
2022年秋からは、新たな農産物を取り上げる予定です。これからも、地元のみなさんと一緒に、宮崎がほこる農業を盛り上げていきます。ご期待ください!
