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NHKアナウンサー「命を守る呼びかけ」-ことばで命を守る職業-

  • 2022年08月26日

災害が予想されるとき、災害が起きたとき、命を守るためにどう呼びかけたらよいか?災害報道に備えてNHKのアナウンサーが改善を重ねてきた呼びかけの文言を公開します。宮崎の防災減災にぜひご活用ください。

「命を守る呼びかけ」をご活用下さい

言葉で命を守ることはできないか?このテーマに全国のNHKアナウンサーは向き合ってきました。きっかけは、東日本大震災です。あの日、なぜ多くの方々の命が失われてしまったのか。もっと多くの命を救うことはできなかったのか。震災以降、私たちはこの思いを胸に調査や検討を重ねてきました。そうしてできたのが、NHKアナウンサーの「命を守る呼びかけ」です。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/yobikake/

この取り組みの支えとなったのが、津波で家族を失った方々の証言や水害で被災した方々との対話です。「あの時声をかけていれば、息子を救えたかもしれない」「避難の呼びかけで、すんでのところで助かった」。調査や検討で見えてきたのは、身近な人の声が避難を後押しする力になるということです。ご家族、ご近所、学校や職場、行政や消防。地域を知るから、顔が見えるから、そして何より、助かってほしいという思いが強いからこそ、言葉が届くのです。

公開するのは私たちが紡いだ言葉の一端ですが、大切な人の命を守る呼びかけとしてご活用下さい。災害から命を守るのは、皆さん一人ひとりの言葉です。

より伝わる呼びかけにアレンジして下さい

◆地域になじみの地名を入れる
呼びかけ文言に地名などを入れると、自分が当事者だという意識がぐっと高まります。「〇〇地区が浸水しそうです」「○○公園まで逃げて下さい」などです。その際、正しい情報に基づいて呼びかける、それ以外の地域は安全だという印象を与えないようにするなどの配慮が必要です。

◆呼びかける相手を示す
呼びかけ文言に「〇〇地区の皆さん」「〇〇川流域の方は」など、相手をはっきり示すと効果が高まります。ただし、対象を絞りすぎるとそれ以外の方にとっては安心情報になりかねないので、対象と内容が適切かどうかを考えながら運用して下さい。

◆地域の過去の災害を例に出す
呼びかけ文言にその地域で起きた過去の災害事例を盛り込むと、説得力が増します。「〇〇年前にも堤防が決壊しました。早く逃げて下さい」などです。どんな災害でどんな被害が出たのか、あやふやな情報ではないかなど、事前に確認しておくとよいでしょう。

こちらのホームページで大雨に対応する呼びかけをご紹介しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/suigai/yobikake/

★「雨が強まる前」(以下は一例です)

・雨が強まる前に地域のハザードマップを確認するなど、近くに危険な場所がないか確認して下さい。
・いつでも避難できるよう準備をするとともに、危険を感じたら自主的に避難を始めましょう。

★「降り方が強まったら」(以下は一例です)

・土砂災害や川の氾濫、浸水などが起きるおそれがあります。自治体から「避難指示」が出たら、(危険な場所にいる人は)避難所や頑丈な建物の高い階、斜面から離れた建物など安全な場所に避難する必要があります。
・これまでの雨で地盤が緩んでいます。 周囲の状況に注意し、早めの避難を心がけて下さい。避難が難しい場合は、建物の上の階やできるだけ斜面や川から離れた場所で身の安全を確保して下さい。

★「非常事態を伝える」(以下は一例です)

・あなたやご家族の命を守るためにお伝えします。避難や安全確保が遅れると命に関わります。避難できなくなる前に行動して下さい。
・すでに被害が出ていてもおかしくない地域もあります。「過去に災害が起きていないから大丈夫」「特別警報が出るまでは避難しなくてよい」などと思わないで下さい。

段階ごとの考え方とともに、およそ40の呼びかけ文を公開し、ダウンロードできるようにしています。ぜひ宮崎の自治体や自治会、企業などの防災関係の方々に活用していただければと思います。

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