ページの本文へ

NHK宮崎WEB特集

  1. NHK宮崎
  2. 宮崎WEB特集
  3. コロナ感染拡大「宮崎の病床」需要と供給のバランス危機的状況

コロナ感染拡大「宮崎の病床」需要と供給のバランス危機的状況

  • 2022年08月18日

宮崎市郡医師会は、新型コロナの患者の急増で宮崎市などでは新たな入院の受け入れが極めて困難になっているとして、17日午後に市民や医療従事者に一層の協力を求める緊急メッセージを出しました。県の病床使用率は53.6%と過去最多を記録。宮崎の医療現場の現状をお伝えします。

宮崎市郡医師会が緊急メッセージ

緊急メッセージは宮崎市郡医師会の高村一志会長らが17日午後、記者会見して発表しました。
宮崎市郡医師会によると、宮崎市など県央部の病床使用率は71.8%となっており、県が発表している県全体の数値53.6%を20%近くも上回り、新たな入院患者の受け入れが極めて困難な状況になっているということです。

メッセージでは県民に対し、救急外来の負担を減らすため、できるかぎり昼間にかかりつけの医療機関を受診することや、検査や薬の処方、不安の解消のために救急外来を受診することは控えるよう求めています。一方、「この難局を乗り切るにはすべての医療機関がこれまで以上に役割を担う必要がある」として、現在は発熱外来を開設していない医療機関に対しても開設を検討するよう求めています。

落合秀信救命救急センター長(宮崎大学医学部附属病院)
重症患者を受け入れる最後のとりでとして態勢を維持してきたが、第7波では患者の数が多く、病床の需要と供給のバランスが崩れて危機的な状況となってきている。現状では入院はなかなかできないので、市内の医療機関には点滴などでの協力をお願いしたい。

医療ひっ迫を防ぐための対策は?

宮崎県は重症化リスクの低い人を対象に医療機関を受診せずに陽性者として登録する「陽性者登録センター」を設置しています。「陽性者登録センター」は40歳未満で基礎疾患のない人を対象に発熱などの症状が出た際、自ら検査を行い、陽性だった場合は医師が患者とは会わずに陽性と確定するもので、今月8日から運用を始めています。薬事承認を受けた検査キットの結果を自分で特設サイトに入力することで、医療現場の負担軽減につなげるねらいです。

県によるとセンターの設置から1週間となる15日までに962人がこのセンターを通して陽性の登録をしているということです。県では、宮崎市港東2丁目で行っている検査キットの無料配布を今月21日まで続けるほか、特設サイトからの申し込みで無料の検査キットを配送しています。

また、センターと同じ日に設けられた自宅療養者のために点滴などの治療を行う、宮崎市の臨時の医療施設「宮崎県自宅療養者初期治療センター」のこれまでの利用者は15日時点で43人となっています。

県は「医療体制のひっ迫を防ぐためにも陽性者登録センターなどを活用してほしい」と呼びかけています。

ページトップに戻る