宮崎 滑川和男アナウンサーが行く 高千穂鉄道 廃線の旅
- 2022年06月21日
特選 宮崎ふれあわない旅 高千穂鉄道 廃線の旅(2020年6月取材)
3年目を迎えた宮崎ふれあわない旅。過去の旅のアーカイブから日之影町の旅をご紹介します(2020年6月取材)。県北部の日之影町。宮崎市から車で2時間ちょっとでしょうか。この町にはかつて鉄道が通っていました。第三セクターの高千穂鉄道です。しかし、この高千穂鉄道は、平成17年の台風14号による甚大な被害が原因で廃線になりました。四半世紀前に宮崎に新人として赴任した際は現役だった高千穂鉄道。それが廃線となってどんな状態なのか?この目で確かめたい。それがこの旅のキッカケでした。

線路跡は散策コースに
高千穂鉄道の線路跡は一部の区間が散策コースとして整備されていました。旧吾味駅から歩き始めます。残された駅舎には今も時刻表が掲げられていて、このままベンチに座って待っていると、列車がやってきそうです。プラットフォームもそのままで、線路があった場所は道路として活用されています。


緑に輝くダム湖に掛かる鉄橋。この細長い橋もかつて単線の高千穂鉄道が走った場所です。エメラルドグリーンに輝く湖面に掛かる橋を渡ると、線路がありました。撤去されずにそのまま残っているのです。静寂の中に、砂利を踏み締める音と鳥のさえずりが調和します。そしてトンネルの中も通ることが出来ます。『ここに列車が来たらどうしよう(笑)』と、真っ暗な静寂の中で想像力がたくましくなります。




かつての高千穂鉄道の車両 驚きの活用法!
かつて使われていた車両はどうなっているのか?その答えが日之影温泉駅にありました。かつての高千穂鉄道の列車が今にも走り出しそうなピカピカの状態で佇んでいるではありませんか。この車両、宿泊施設として改良されて再利用されているのです。ここに泊まれば山間を駆け抜けたかつての列車の思い出がよみがえってくるかも知れません。



新人時代の思い出の場所
実はここ日之影温泉駅、温泉入浴施設を併設した駅として整備された当時、おはよう日本で全国中継を行っているんです。散策路を歩いた足を足湯に浸していると、そんなはるか昔の思い出が蘇って来ました。廃線になったものの、高千穂鉄道がいまも地元の人や観光客に愛されていることを噛み締めた旅でした。



この旅を始め、これまでの宮崎ふれあわない旅はこちらから見ることが出来ます。
https://www.nhk.or.jp/miyazaki/onlyme/index.html
また、高千穂鉄道跡の散策路や列車の宿、日之影温泉駅の情報は日之影町役場や日之影町観光協会のホームページからご確認下さい。