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宮崎の観光名所・堀切峠 絶景の海に刺さる棒の正体とは?

  • 2022年05月26日

(投稿者)ミケネコさん
「大学時代によく行った堀切峠まで先日家族とドライブしたのですが、堀切峠から青島方面の海に、2本の長い棒が突き出ているのが見えました。私の学生時代には無かったと思うのですが、あれは何なのでしょうか?」

宮崎県の絶景観光スポット、堀切峠の海に刺さった2本の棒。人気アニメに登場する武器に例えられたり、鬼の洗濯板にかけて“鬼の御箸”と呼ばれたり珍スポットとして話題になっていますが、一体その正体とは?以前は存在しなかったという、堀切峠の2本の棒の秘密を“てげ探”してきました。

堀切峠の2本の棒とは?

堀切峠といえば、南国ムード漂うフェニックスの木々と、一面に広がる青い海。宮崎を代表する絶景スポットです。そんな場所にある、“海から突き出た棒”とは…?
物珍しさからでしょうか、写真を撮っている観光客に棒の正体は何だと思うか聞いてみると、

観光客
「投げて間入ったら、運気があがる棒?」「信仰の対象ですかね~?」

それぞれの想像に、棒の謎は深まるばかり。
手がかりを求めて、NHK宮崎放送局のカメラマンが特別な望遠レンズを使って観察してみることに。棒は鉄なのか錆びて赤くなっているようで、左側の棒の上にはなにかが…?

鳥が巣を作っていることが分かりホッコリしましたが、肝心な棒の正体の手掛かりはつかめず・・・

再び聞き込みをしていると、何やら言いたげな様子の男性が。御年90歳の地元の方とのことで、話を聞いてみることに。

地元の男性
難破船ですね。もう10年なるんじゃないかな。引き上げてもどうにもならんから、そのままです。

どうやら10年ほど前に起こった船の事故が関係しているようです。NHK宮崎放送局に保管されている膨大なニュース映像から、「2010年、中国の会社が所有するおよそ6000トンの船が、山口県から本国に戻る途中で嵐に見舞われ、座礁した事故があった」ことが分かりました。

座礁事故の後、サルベージ会社が船の撤去を試みますが、作業は難航。その後、台風によって本体は崩れて海の中に沈んでしまい、2本の残骸だけが海の上に残りました。

2本の棒の漁業への影響とは

さらに取材を進めると、当時をよく知る人との接触に成功しました。堀切峠の近くの青島港で漁業を営む、長倉さんと岩切さんです。

事故現場の周辺は、以前はイセエビがよく獲れる絶好のポイントだったそうです。しかし、座礁事故によって漁場が壊されて全く獲れなくなってしまい、今なお、影響は続いているということです。
座礁事故から12年。今の漁師たちの率直な思いを聞きました。

漁師の長倉孝将さん・岩切亮一さん
曲がったり錆びたりした、パイプや鉄板とかなどの鉄くずが凄い多いです。毎日毎日、漁の網が破れて修理ばかりです。いつまで、あのままで…どうにもならないのかなって思うだけですね。12年前の豊かなイセエビがある状態に戻して欲しい。それだけですね。

12年経ち、どうにもならないと諦めているという漁師の方が大勢いるようですが、なぜ、座礁船は撤去されずに残されたままになっているんでしょうか?調査を進めていくと、複雑な事情が分かってきました。次回の「てげ探」でお伝えします。

NHK宮崎では、みなさんの身近な疑問やお悩みをお待ちしています、次回もお楽しみに!身近な疑問・お悩みはこちらから https://www.nhk.or.jp/miyazaki/tegetan/index.html

  • 玉田 祐也

    宮崎局・PD

    玉田 祐也

    2017年入局

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