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学校の働き方改革!宮崎県の対策と先生が語る部活動の負担とは

  • 2022年04月21日

(投稿者)都城市・60代男性
「教員の働き方改革について。知り合いが教員で時間外労働や部活動顧問などが負担になっています。教員の仕事量を減らすにはどうすればいいですか。」

学校の先生の働き方改革。昔から休日出勤・時間外業務が多いのが問題になっています。教員の仕事量を減らすにはどうすればいいのか。その原因は何なのか。視聴者の疑問を調査しました。

授業の次に時間がかかっているのは部活動

県教育委員会の調査結果からも、授業準備の次に部活動が先生の忙しさを高めている事が見えてきました。先生の時間外は非常に深刻なレベルとなっており、厚生労働省が定める「過労死ライン」の80時間以上を超えているのが16%、実に6人に1人という計算になります。そして、45時間以上の“過労死予備軍”も4割以上で、あわせて6割近くが労働基準法の上限を超えていることになります。

部活動の顧問の負担は実際どれくらい?

部活動はどれぐらい負担なのか、部活動の顧問を36年続けている中武宏朗さんに聞きました。現在はテニス部の顧問をしている中武さん。4月の予定表を見せてもらうと、男子・女子両方で大会があり、休日は月に2日しかありませんでした。

先生の中武宏朗さん
大会が組まれれば出たい生徒も大勢いるだろうし、保護者の出したい思いもあると思うので、きつくても休むわけにはいかないかなということもあります。家族とはできるだけ一緒に遊びたかったですけど、海水浴とかに連れて行ってあげられなかったなという思いがありますね。

ほとんどの休日を部活動にあててきた中武さん。妻や2人の子どもとのプライベートな時間との両立は難しかったといいます。実は、妻の照美さんも元教員で学校側の配慮で、部活動の顧問はせずに、夫がいない日の子育てを一人で担ってきました。

県教育委員会の対策は?

県教委も現状を問題視していて、3年前に「学校における働き方改革推進プラン」を提示しました。公立中学校の運動部の改革を担っている西田英司さんにお話しを伺いました。

宮崎県教育庁の西田英司さん
県では部活動の活動時間や休養日の設定をする方針を出しています。私たちも生徒にとって望ましいスポーツや文化の環境づくりをしていきたいとは考えております。

県が4年前に出した方針では、1週間に最低2日間は部活を行わない休養日を設定することが記されています。さらに、活動時間についても平日は2時間、休みの日は3時間までと上限が決められています。
部活動の「時間」を減らしたことで、教員の負担はある程度軽減されたと言いますが、一方で、部活動に熱心な生徒の意欲を削ぐことになるのではないかという懸念の声も挙がっています。

そこで、生徒のやる気を保ちながら、教員の働き方改革を実現するために県が導入を進めているのが「部活動指導員」です。

宮崎県教育庁の西田英司さん
これまでの外部の方にお願いする「外部指導者」とは違って、大会や練習試合に顧問の先生がいなくても引率ができるというのが特徴です。外部指導者は技術的な部分で負担軽減にはなっていましたが、大きな働き方改革にはつながっていませんでした。

「部活動指導員」と「外部指導者」の違いとは?

長年、教師の負担を減らすために活用されてきたのが「外部指導者」です。コーチとして技術の指導をしてきましたが、部活動の責任者にはなれませんでした。

一方、「部活動指導員」は学校の職員として年度ごとに任用されます。指導だけでなく、責任者として単独で大会の引率もできるようになったのです。部活動指導員と業務を分担し、顧問の教員の労働時間が減ることが期待されています。

この部活動指導員の制度は国が主導しているもので、教員の負担を減らすことに国も本腰を入れているということは言えます。県教育庁の西田さんは「部活動指導員がいれば、究極、顧問の先生が存在しなくても部活動ができます」と言っていました。

教員の負担はかなり減らせそうですが、「部活動指導員」の人材が不足しているという課題も見えてきています。「部活動指導員」課題と現状は後編でお伝えします。

NHK宮崎では、みなさんの身近な疑問やお悩みをお待ちしています、次回もお楽しみに!身近な疑問・お悩みはこちらから https://www.nhk.or.jp/miyazaki/tegetan/index.html

  • 松本 佳子

    NHK宮崎放送局

    松本 佳子

    2019年入局

  • 外谷 海人

    NHK宮崎放送局

    外谷 海人

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