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宮崎コロナ 子どものマスク・着用の"基本"と"例外"入れ替えを

  • 2022年05月19日

厚生労働省の専門家会合のメンバーらは、屋外では距離が十分にとれない場合でも、会話が少なければマスクを着用する必要はないとする考え方をまとめました。暑さが本格化する中、これまでと同じようにマスクをつけるのか。「子どものマスクと熱中症」というテーマで、宮崎市の対策と小学校を取材しました。

子どものマスクと熱中症

これから暑くなる日が多くなりますが、子どものマスクをどうするか迷うことはありませんか?実は、宮崎市教育委員会は5月に入ってこんな通知文を出しています。子どもから受け取った方もいると思います。

宮崎市教育委員会が出した通知文
気温・湿度などが高い日には、熱中症などの健康被害が発生する恐れがあるため、マスクを外してください。体育の授業においては、マスクの着用は必要ありません。ただし、十分な身体的距離がとれない状況で十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクがない場合にはマスクを着用しましょう。

結局マスクを着用しないといけないのか、着用しなくてもよいのか判断に迷います。学校の先生も悩んでいると思い、学校現場で対応を取材しました。

取材をしたのは宮崎市の江平小学校

午後2時すぎから行われた6年生の体育の授業。取材日の最高気温は25度を超える夏日になりました。江平小学校では激しい運動をするときや、息苦しくなったときにマスクを外すという方針で授業を行っています。この日は体力テストの50m走。走っているときはマスクを外していますが、気になったのは走り終わったあとです。全力で50mを走ったあとにも関わらず、すぐにマスクをつける様子が目立ちました。

子どもたちに話を聞くと「できれば外したい」「マスクなしがいい」と話す一方で「熱中症も怖いけどコロナのほうが怖い」という意見も目立ちます。

子どもたちはこの2年余り、学校やメディアを通して新型コロナの恐ろしさを嫌と言うほど伝えられてきました。オミクロン株になって病気の特性が変わったことや、熱中症は即座に命に関わる危険性があることを伝えても、これまでの習慣を変えるのは難しいと感じます。

熱中症の事故を防ぐには?

熱中症に詳しい串間市民病院の江藤敏治院長が提案したのは、子どもたちへの呼びかけの仕方を変えることです。

串間市民病院 江藤敏治院長
マスクをいつ外すか、いつ着けるかを子どもたちに判断させるのは難しいところがあります。したがって大人がそういう提案をする必要があると思います。基本は外ではマスクを外す。ただ人と接触する、もしくは話をすることがある時にマスクをつける。それ以外は外すという呼びかけがシンプルでかつ感染リスクも下げ、熱中症対策にもなると思っています。

つまり今の「こういう場合は外して構いません」という呼びかけは「着用が基本。外すのは例外。」となります。江藤院長はこれを逆転させて、屋外では「外すのが基本。話をするときは例外として着用。」に変えようと提唱しています。

「ただし、ただし」と注釈だらけでは、肝心なメッセージが子どもたちに伝わりません。子どもたちを守るためにも伝え方に心を配っていく必要があると感じました。

  • 松井嚴一郎

    宮崎局・記者

    松井嚴一郎

    2017年入局
    現在は県政の取材を担当

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