宮崎の点滅信号・設置基準は?県民の疑問を徹底調査!
- 2022年04月07日
宮崎市 篠原肇克さん
「黄色点滅信号を設置するかどうかは、どうやって決めているのでしょうか?」
点滅信号とは交通量が減る深夜などに点滅になる信号のことです。黄色の場合、スピードを落として注意しながら進むことができます。点滅信号は青になるのを待たなくていいので便利なのですが、調査では意外なことが!視聴者から寄せられた素朴な疑問から「てげ探!」開始しました!
点滅信号の設置基準は?
質問を寄せてくれたのは宮崎市で暮らす篠原肇克さん。午前5時ごろに通勤する際、車通りもないのに赤で止まり続けることも多く「黄色点滅にならないかな」と疑問に思っていたそうです。
早速、取材班は午前4時から早朝の状況を調査開始しました。
最初の1台が通過して2台目が通過したのは…そのおよそ5分後。日中とは打って変わって、車通りはわずかです。なぜ点滅信号にならないのか宮崎県警察本部へお話を聞くことにしました。
夜間の点滅にできる基準にはどういったものがありますか?
明確な基準っていうのはないんです
・・・。基準がない?あの大塚町の交差点はどうですか?
今回の交差点は市内に向かう幹線道路の1つで、交差点間の距離も近く危ないので現状難しいと思います。
今回の交差点は写真の赤丸部分です。
交差点の先には宮崎市中心部につながる橋があり、さらに南北には主要道路、県道17号線もあります。大塚さんの分析によると、夜間や早朝は交通量が少なくても物流のトラックなどが通る可能性があるというのです。黄色点滅には「交通量」だけでなくこうした「交通環境」も重要になります。
点滅信号で事故が発生!?
投稿者の疑問も晴れて解決!と思いきや…。実は点滅信号で年間十数件の事故が発生しているそうです。過去には大きな事故もありました。なぜ、点滅信号でこうしたことが起こるのか。交通心理学の専門家は点滅信号に対するドライバーの「思い込み」を指摘します。
志堂寺和則教授(九州大学・交通心理学が専門)
点滅信号というのはどうしても軽く考えてしまう。毎日通ってほとんど車に出くわしたことがないとか、そういう経験があると人間はしっかり記憶して『ここは来ないからね』という風になってしまうんですね。
結果を投稿者の篠原さんにお伝えしたところ、納得はしつつも「やっぱりあのぐらいの交通量だと点滅信号でもいいんじゃないかという気持ちも少しあります」と話していました。
こうした信号などの要望や質問は警察にも直接聞くことができて、警察署や役場にある「信号機・標識BOX」に出したり、警察のホームページからもメッセージを投稿できます。
これで「一件落着」といきたいところですが、点滅信号について色々調べていたら、気になることがさらに分かってきました。
一灯式の点滅信号で事故多発!?
一灯式点滅信号は県内には2021年3月時点で230基ありますが、実は宮崎は全国で3番目に多いそうです。しかし、この点滅信号による「事故の多さ」が理由で年々、撤去されています。信号に変わって設置されたのがこちらの一時停止標識。
事故件数が大きく減った理由について専門家は一時停止標識の「わかりやすさ」を指摘します。
志堂寺和則教授(九州大学・交通心理学が専門)
黄色点滅で徐行するといっても人によって全然違うと思います。一時停止はとにかく『とまれ』という話ですので、統一できると思います
別の専門家は信号機が設置されている「高さ」の思わぬ落とし穴を指摘します。
稲垣具志准教授(東京都市大学・交通工学が専門)
ドライバーから見ると角度の高いところに信号機があるので、遠くから見ればある程度確認はできるかもしれませんが、近づいたときに点滅信号の存在に気付きにくいといった、位置関係の問題で見落としが起きやすいことはあるかもしれないです
相次ぐ事故を受けて警察庁も通知を出していて、全国的に「一時停止」の標識に置き換えが進んでいるようです。
志堂寺和則教授(九州大学・交通心理学が専門)
点滅信号の導入は車の流れをよくするという車優先の発想。事故をいかに防ぐかに力点が大きく変わる中、ある意味で点滅信号というのは少し時代遅れの産物の側面もある。
とにかく事故を防ぐためにはドライバーの意識が大切です。これからもみなさん、安全運転をお願いします。
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