ページの本文へ

みやざきWEB特集

  1. NHK宮崎
  2. みやざきWEB特集
  3. 「金魚って何年生きられるの?」宮崎の視聴者の疑問を調査!

「金魚って何年生きられるの?」宮崎の視聴者の疑問を調査!

  • 2022年02月04日

中村伸一さん・すみ子さん夫婦「夏祭りで孫と金魚すくいをして6年で20センチになりました。金魚は何年生きられますか?」

一体どんな金魚なのか?視聴者から寄せられた素朴な疑問から「てげ探!」開始しました!

孫と行った夏祭り

中村伸一さん・すみ子さん 夫婦

質問を寄せてくれたのは串間市で暮らす中村伸一さん・すみ子さん夫婦。6年で20cmまで育ったという金魚は、リビングの水槽で飼われています。20cmといえば、みなさん手を思いっきりパーに広げてみてください。男性ならば親指から小指くらいの大きさ、女性ならこれに+5cmくらいの大きさです。

6年で20cmまで育った金魚

頭がオレンジ色で体が白のきれいな金魚、確かに立派な姿です!金魚すくいでとった当時は、3cmほどの大きさだったそう。

 

NHK宮崎

6年も生きると思いましたか?

伸一さん

いや~思わない。だからてげてげに飼っていました。

きっかけは、遠く離れた三重県で暮らすお孫さんたち。6年前の夏、帰省中のお孫さんたちと夏祭りでとった金魚を預かり、大切に育ててきました。毎年夏の帰省のたびに成長を楽しみにしていたそうですが、ここ2年はコロナ禍で帰省は中止になっています。

伸一さん

今は孫に会えないから孫の分身じゃないけど、これが今はかわいいという感じ。長く生きてほしいです。

中村さんご夫婦とお孫さんをつなげる巨大金魚。中村さんの思いを胸に、てげ探チームは調査へ!!

金魚は何年生きる?

まず訪ねたのは宮崎市内の金魚専門店。ここは県内の愛好家たちが通う老舗で、およそ20種類を販売しています。店主の福丸雅文さんに、中村さんの金魚の写真を見てもらうと…

福丸さん
(金魚店店主)

これは丹頂(たんちょう)っていう種類の金魚ですね。

NHK宮崎

丹頂が金魚すくいにいることもあるんですか?

福丸さん(金魚店店主)

めったにないと思いますね。当たりの金魚です。
上手に育てれば平均寿命7~8年、だいたい20cmくらいまでは大きくなります。

中村さんの金魚は、金魚すくいでは珍しい品種だったそう・・。では、なぜ串間の金魚すくいに、そんな品種が混じっていたのでしょうか。全国トップクラスの産地・奈良県大和郡山市で「金魚卸売センター」理事長を務める嶋田輝也さんに聞いてみました。

嶋田さん(金魚卸売センター)

ちょっと形悪いやつは金魚すくいに回してるんじゃないかな。10年くらい生きるんじゃないですか?


嶋田さんによると、丹頂などの丸っこい品種は、どちらかというと寿命は短めで、金魚の祖先であるフナに近い形の品種は、さらに寿命が長いそうです。

ところで、取材中にすみ子さんが気になることを言っていました。

すみ子さん

尾っぽがひらひらして綺麗だったんですけどね、尾っぽが切れちゃったような気がする。

何か原因があるのか?水生生物に詳しい大淀川学習館(宮崎市)の濵田洋輔さんに聞いたところ・・・

濵田さん(大淀川学習館)

もしかしたらこの子「尾ぐされ病」なんじゃないかなって思います。

「尾ぐされ病」とは、尾びれなどが白く濁ったり、ボロボロになったりしてしまう、観賞魚全般に見られる病気です。

濵田さん(大淀川学習館)

塩浴(一定期間け塩水で飼育すること)を一番最初にちょっとしてあげて魚の自然治癒力に任せる。それでもなお、症状が治まらなかったら薬浴(薬を溶かした水で飼育すること)してあげたほうがいいと思います。

思いもよらない病気の疑いが見つかりましたが、早めの治療で対処できるようです。

金魚を長生きさせるには?

中村さんご夫婦の金魚、7年から10年は生きる品種だと分かりましたが、お孫さんたちと再び会える日まで、長生きさせるためにはどうすればいいのか?まずは大淀川学習館の濵田さんにお話をうかがいました。濵田さんはこれまで50種類をこえる水生生物を育て、もちろん金魚も飼っています。

 

濵田さん(大淀川学習館)

寿命を分ける一番大きい要因は家での飼い方だと思います。水替えの頻度や餌の与え方などの日常的な飼育のサイクルで金魚が住みやすい環境を作ってあげればある程度長生きしてくれると思うんです。

では、中村さんご夫婦は普段、金魚をどのように飼っているのか?夫の伸一さんの日記を見せていただくと・・・

水替えの頻度を夏と冬で変えたり、金魚の体調を見ながらエサを与えたりするなど、金魚が住みやすい環境作りが自然とできていました。一方、気になったのは水です。

水道水を直接水槽に入れ、塩素中和剤などを入れないのです。水道水に含まれる塩素は、金魚に良くないと聞きますが、6年間も生き続けているとは、どういう事なんでしょうか?魚の繁殖や育成について研究している、東海大学海洋学部の秋山信彦教授にお話をうかがいました。

秋山教授(東海大学海洋学部)

地域によって塩素の濃さは違い、水のきれいな地域であれば塩素の量も少ないので、魚にとってギリギリ大丈夫な塩素の量なのだと思います。個体によって違うので、たまたまその魚が塩素に強いので大丈夫だったという可能性はあります。

では、中村さんのお宅の水道水は、どんな水質なのでしょうか。串間市の浄水場を訪ねてみました。

串間市の水源はすべて天然の地下水。自然に濾過され不純物や雑菌が少ないため、浄水の手間や塩素の量も少なくて済みます。都市部と比較すると、水道水に残っている塩素の量は半分以下でした。人口が多い都市部では沢山の水を安定的に確保しなければいけないので、川や湖などの水を利用する地域が多いですが、宮崎県内は地下水が豊富な地域が多く、地下水を水源として利用する地域の割合の方が多いようです。また、調査を進める過程で意外なことも発見しました。

宮崎市の浄水場で水質を調べる池の中には、なんと「金魚」が。

これは、全国的に取り入れられている「バイオアッセイ」というれっきとした検査法で、水質の変化に敏感な金魚の様子を観察することで、原水としてくみ上げた大淀川の水に、有害物質などが含まれていないか、調べているようです。さて、調査の結果、中村さんのお宅の水道水は幸い、塩素の量が少ないことが分かりましたが、「"塩素抜き"をすれば、もっと良い」と、専門家の皆さんは仰っていました。

そのうえで、大淀川学習館の濵田さんは最後にこんなことも。

濵田さん(大淀川学習館)

大事に愛情を注いで育ててあげれば、ある程度期待に応えてくれると思います。

NHK宮崎

愛情って金魚に伝わると思いますか?

濵田さん(大淀川学習館)

僕は伝わると思ってるんですけどね。魚に結構話しかけるんですよ、まあ魚は何も返してくれないんですよね。やっぱりその気持ちっていうのは前向きにその子をとらえて、どうにかいい方向に持っていってあげようという気持ちだと思うので、そういった姿勢は大事なんじゃないかなと。

愛情を注ぐという事は、よく観察し丁寧に飼育するという事。ちょっとした異変にも素早く気いてケアするなど、長生きを手助けすることにつながるというわけです。

NHK宮崎では、みなさんの身近な疑問やお悩みをお待ちしています、次回もお楽しみに!身近な疑問・お悩みはこちらから https://www.nhk.or.jp/miyazaki/tegetan/index.html

  • 牛田幸宏

    宮崎局・ディレクター

    牛田幸宏

    木城町出身

ページトップに戻る