新型コロナウイルスの影響から全国の鉄道会社が乗客の減少に苦慮しています。そうした中、茨城の第3セクターでは乗客を増やそうと工夫をこらした取り組みが進められています。

初詣は鉄道車両に参拝!?

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令和4年の初詣。
手を合わせる先には…鉄道の車両。

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ひたちなか開運鐵道神社です。
ひたちなか海浜鉄道が市民団体と協力して去年創建しました。

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ご神体は、7年前に引退した車両キハ222。
50年間無事故で走ったことから交通安全の御利益があるとされています。
さらに、連結していたことから縁結びにも良いとされているのです。

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話題を呼び多くの参拝者をあつめ、鉄道を利用してもらおうとしています。
お正月には多くの人で賑わいました。
参拝客:事故に遭わないように祈りを込めたい
参拝客:不思議な感じですよね いままでの神社のイメージと全然違う

逆境のひたちなか海浜鉄道

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ひたちなか海浜鉄道。
茨城県のひたちなか市を走る全長14.3キロの第3セクターです。
通勤・通学をはじめ観光客にも数多く利用されてきました。

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11年前の東日本大震災では線路がゆがむなど大きな被害にあい、4か月の運休を余儀なくされました。
それでも住宅街のそばに新駅を設置するなどニーズに応えることで乗客を着実に増やしていきました。
しかし、おととしからの新型コロナの影響で乗客が激減。
売り上げは3割から4割減少しています。

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ひたちなか海浜鉄道 吉田千秋社長:未曾有の危機という状況ではありますね。これからどうやっていくかと考えるとしたらいままでにないものを、付加価値をつけて鉄道の価値をもうちょっと高めていかなければならない。

話題を集め、集客につなげる!

どうすれば乗客をすこしでも増やすことが出来るのか。
目をつけたのは地元ひたちなかの特産品。ほしいも。

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去年10月、話題を集めようと車両をほしいも仕様に改装。
「ほしいも列車」として運行を始めました。

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中はほしいものキャラクターでいっぱい。
つり革には、リアルな干し芋の装飾をつけ乗客を楽しませます。
観光客:すごいかわいいと思います。テンション上がりますね

地域連携で魅力を掘り出す

さらに、意外なものを売り出す取り組みも始めています。

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茨城県内を走る鉄道4社で集まり話し合っていたのは。

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使われなくなった部品などを鉄道ファンに向けて売る販売会について。

中にはこんなものも…。

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↑踏切の警報灯

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↑摩耗しきった制輪子(ブレーキシュー)。

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車輪に押しつけて摩擦で減速させるための部品

4社合同で販売会を開くことで品数を増やし、より多くの人を呼び込もうとしています。

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1月10日に大洗町で開かれた販売会。
先着順で100枚用意していた入場整理券はすぐになくなり大盛況でした。

5千円で出品された踏切警報灯は2つ売れ、他のグッズは1つ10万円で売れたものもあるとのことです。

ひたちなか海浜鉄道 吉田千秋社長:人の輸送手段と言うことが第一でこれを守っていくためにいろんな営業施策をやる、観光の方に来てもらう。それがやっぱり大きいのかなと思いますね。

乗客を集める、あの手この手。
鉄道の魅力を深め、未曾有の危機に立ち向かいます。


取材後記:髙本周平ディレクター
これまで鉄道を「交通手段」としてしか、見られていなかった私ですが、今回の取材を通して「乗る」だけでない鉄道の価値と、その魅力に気づくことが出来ました。
ひたちなか海浜鉄道の担当者の方に使われなくなった鉄道部品の魅力を伺っていると、危うく鉄道の魅力の沼にはまりかけることも…
普段から通勤・通学で何気なく使っている交通手段も見方を変えれば毎日が少し楽しくなるかもしれません。

 

 

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